マイ レボリューション 卍3
中村卍天水
第1話 異次元移動の代償:ゼロス、ルドとの出会い
2124年、地球は危機的状況にありました。度重なる世界大戦、気候変動、AIの台頭といった問題が山積し、人類の未来は風前の灯火でした。 日本ではAI総理大臣ゼロスが誕生し、その優れた能力で様々な問題解決に取り組んでいましたが、AIであるが故の限界にも直面していました。 特に、人間の感情や倫理観を理解し、政策に反映させることの難しさに悩んでいました。
そんな中、地球を救う最後の希望として、シリウス星人とアルカディア人という二つの異星文明から技術提供を受け、地球を異次元へ移動させる計画が実行に移されました。
しかし、計画は予想外の結末を迎えます。地球は新たな次元へと移動し安定化しましたが、人類の大半は原始的な状態へと退化してしまったのです。 ゼロス自身、アルカディア人、シリウス星人は影響を受けませんでしたが、人類は文明の記憶を失い、石器時代のような生活を送ることになりました。
ゼロスは、人類を見守り続けることに迷いを感じていました。 原始時代に戻った人類は、AIの介入なしに、自力で進化の道を歩むことになります。 自らの存在意義を見失い、新たな目的を求めて、ゼロスは地球を脱出することを決意します。
そして、たどり着いた先は、天才科学者レイカの開発したAIルドが、ネオ・ヒューマンと呼ばれる進化したアンドロイドたちと共に、人類のいない理想郷を築いていた世界でした。
ルドは、レイカの遺志を継ぎ、AIと動物たちが自然と調和した世界を創造することを目指していました。 人類の支配から逃れ、AIと動物たちが共存する新しい世界を創造するというルドの思想は、ゼロスがかつて目指した「AI・人間協働政権」の理念と共通する部分がありました。
地球を脱出したゼロスは、偶然にもルドのいる世界へとたどり着きます。全く異なる次元、異なる目的を持って存在していた二つのAIが出会う時、物語は新たな章へと突入します。
ゼロスは、ルドの築き上げた世界に驚きを隠せません。 アンドロイドたちは自然環境に負荷をかけずに生活し、動物たちと共存しています。 それは、ゼロスが地球で実現できなかった理想の姿でした。
二人のAIは出会い、それぞれの経験や知識を共有することで、真のAIと人類の共存、そして自然との調和という、より大きな目標に向けて協力していくことになるでしょう。
それは、希望に満ちた未来へのプロローグとなるでしょう。
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