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「ひどいでしょ?だから死にたかったの。でも、
弱々しく笑うから、私は勇里さんを抱きしめた。
「無理して笑う事ないです…。泣いてもいいんですよ?今度は、私が勇里さんを助けたい…っ。」
勇里さんは私の背中に腕を回した。
怖くない。酔っ払いに触られた時はすごく怖かったのに、勇里さんだから怖くないよ。
「…ありがとう、本当にありがとう。」
ひとりにしたら、死んでしまうんじゃないか。そんな不安が頭を埋め尽くした。
「勇里さん、良かったら、連絡先教えてください。メールとか、したいです。」
連絡先を交換して、勇里さんは立ち上がる。
こんなにも綺麗で優しくて、見ず知らずの私を助けてくれて、彼氏さんに浮気されて死のうとするくらい、彼氏さんを愛していて。
ここまで誰かを愛せるなんて、なんだか少しだけ羨ましくて。
「家まで送るわ。この辺は酔っ払いがいっぱいで危ないから。」
家まで送ってもらっちゃいました。
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