第25話 謎の不審火!
(安川) おい、近藤遅えよ~
日川中学校の正門前に安川と中城が待ちくたびれた表情で立っている。
(近藤) 安川~いちいち幽霊屋敷にトランシーバーを取りに行く位で俺と中城を呼ぶなよな~
(中城) たくも~近藤の言う通りだよ~
俺なんか、新作のゲームソフトのクロノトリガーをプレイしてたのに途中で中断して、ここに来たんだから迷惑な話だよな~!
(安川) スマン、スマン、こんな夜中に俺一人で幽霊屋敷に行くのはメッチヤ勇気入るからな~後で飯島◯の裏ビデオをダビングしてやるから、俺の用事に付き合ってくれや~!
(中城.近藤) 何っ、それ本当か! それならしや~ないな~
中城と近藤は安川の提案で、あっさりと買収されたのだった。
(消防車の音) ウ~、ウ~、ウ~!!!
(散歩人) 火事だ~向こうの団地の方で火事だぞ~!
消防車のけたたましい音に誘われる形で近所の農家のお爺さんが家から飛び出して1キロ程先にある団地の方に一目散に駆けだして行く。
(近藤) 西の方角から火柱と煙が上がるのが見えるが、あの方角の団地って言うと........50軒位、同じ様な2階建ての家が建ち並ぶヤクルト団地じやないか?
(中城) 本当だ、サンクスが見える左側の地域から煙が上がってるからヤクルト団地で間違いないな!
(安川) えっ! ヤクルト団地って言うと、確かキヤッピーさんの家がある団地じやないか?
(安川一同) ............................???
安川一同は10秒程、沈黙した後、嫌な予感が安川の頭の中を駆け巡ったのか、安川はガムシャラに手を振ってダッシュで走り出した。
(中城.近藤) おい安川、ちよっと待てよ~!
中城と近藤も負けじと駆け出す。
安川「やっぱりだ! キヤッピーさんの家が燃えてるぞー」
安川達が火災現場に到着した時、ヤクルト団地の住民が激しく燃えるキヤッピーの自宅を取り囲んでいる状態だった。
近藤.中城「あっち~!」
キヤッピーの自宅から激しい火花が飛び散ってきて、頬や髪の毛が熱く感じる。
キヤッピーの自宅は放火魔が灯油などを撒いたせいなのか、激しく燃えていて半径5メートル位の距離に立っていると両目が開けていられない程熱気が凄い。
救急隊員「駄目だ、亡くなっている....!」
救急隊員が首を横に振りながら担架に乗せられた遺体にシートを被せた。
安川「おい、あれって...まさか......!」
安川が救急隊員の方を見た瞬間、激しく突風が吹く。
風の音「ビユー!」
遺体に被せたシートが激しく捲れる。
安川一同「あっ、あの遺体はキヤッピーさん?」
担架の上には、遺体が仰向けの状態で乗せられており、遺体は炭化して真っ黒焦げになっており、最早人間の遺体とは思えない程である。
近藤「あれって本当に人間の遺体なんか?」
中城「ちよっと不謹慎だけど....全身黒いマネキンが乗せられてる様に見えるな~」
安川達は火事が鎮火するまで1時間程の間、キヤンプフアイアーを眺める様に、ボンヤリと立って非日常的な火事の炎を眺めていた。
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