名声が高まる



ヴァルニとの契約を果たし、4体の精霊を従える力を手にしたレイ。その日、彼はいつもと違う重みを感じながら森を歩いていた。体に宿った新たな力が、彼をこれまで以上に大きな挑戦へと駆り立てるのを感じていたのだ。


森を抜け、訓練用の広場に戻ったレイのもとには、同僚の冒険者や騎士たちが集まってきた。4体もの精霊を契約したという噂は、あっという間に広まり、彼が目指す次の「試練の場」での実力を確かめようという者が増えていた。


その中でもひときわ目立つのは、武術に長けた騎士のリクと、魔法戦術を操る魔術師のイレーネだった。彼らはレイに近づくと、やや驚きと興奮を含んだ表情で声をかけた。


「レイ、本当に4体の精霊と契約したのか?すごいじゃないか!」リクが笑みを浮かべながら肩を叩く。

「それだけの精霊を従えるとなれば、戦場でも一目置かれるわね」とイレーネが冷静に分析する。


レイは謙遜しつつも、内心で高揚感を隠しきれなかった。「精霊たちのおかげだよ。でも、この力を使って、もっと役に立ちたいんだ。俺自身、まだまだ未熟だしね」


イレーネが微笑を浮かべながら、ふと真剣な表情でレイを見つめた。「実は、王都に戻るまでに新たな任務があるの。敵国がまた動き出しているという情報が入ったわ。精霊を持つ者が増えてきているらしい」


リクが腕を組みながら、鋭い眼差しで続ける。「俺たちだけじゃその精霊使いには勝てないかもしれない。だが、君がいれば…」


レイの目が光る。これはただの実力試しではなく、実戦に近い状況での任務を意味していた。ヴァルニや他の精霊たちの力を最大限に引き出し、自分の真価を証明する機会が訪れたのだ。


心の中で精霊たちに呼びかける。「フィン、リヴィア、ナイア、そしてヴァルニ。この力を使って、皆を守るための力になろう。俺が精霊使いとして、どれだけやれるか…見せてやろう」


すると、精霊たちから応じるようにエネルギーが伝わってくる。彼らの信頼と協力が、レイの決意をさらに強固にしてくれる。


「よし、行こう!」と力強く宣言したレイは、リクとイレーネと共に新たな任務に向けて出発したのだった。

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