ハズレのはずの「釣りスキル」だけで異世界最強になっちゃった─!?
@ikkyu33
釣りスキルの真価
その日、神からの「祝福」が降り注いだ。
貴族から平民まで、あらゆる人々がそれぞれの才能に応じたスキルを授かり、人生を豊かにする…はずだった。
「さあ、見せてくれ。君の『祝福』は?」
村の長老が嬉しそうに問いかける。周りの村人たちも興味津々の眼差しを向けている。
「えっと…俺の祝福は……『釣りスキル』?」
村中が一瞬、沈黙に包まれた。そして、次の瞬間、誰かがくすくすと笑いだし、周囲に笑いが伝染していく。
「な、なんで笑うんだよ!」少年は頬を膨らませ、悔しそうに叫んだが、村人たちは笑いを止められなかった。
「釣りだって、立派なスキルだぞ!」少年はそう言い張るが、内心では不安が押し寄せていた。目の前の村の英雄は「炎の剣士」の祝福を持ち、隣の少女は「風の魔法」を操るスキルを手にしていたのだ。そんな中、自分だけが「釣りスキル」だなんて…。
だが、そんな彼が知る由もなかった。
この「釣りスキル」こそが、常識を覆し、世界最強への道を切り開く鍵であることを──。
「全く、なんで俺だけこんなハズレなんだよ…」
森の中でぶつぶつと不満を漏らしながら、主人公のレイは釣竿を湖に垂らしていた。彼は「釣りスキル」のことを未だに信じられず、他の村の仲間たちが戦闘や魔法の修行をしているのを羨ましく思うばかりだった。
だが、その日、いつもとは何かが違っていた。
「ん?なんだ…この引きは…」
レイの釣り糸が急激に引っ張られ、手が竿を握りしめる。普通の魚とは全く違う、ものすごい力で引っ張られているのだ。
「くそっ、こんなデカいのが…!」
全身を使って耐えながら引き寄せると、湖面からゆらりと現れたのは──巨大な水の精霊だった。
「…なんで水の精霊が釣れるんだよ!」
レイは驚愕したが、さらに驚いたことに、水の精霊は彼の「釣りスキル」によって完全に捕らえられ、レイの指示に従うかのように穏やかに浮かんでいた。
「どうして…俺の釣りスキルって、こんなに強力なんだ?」
やがて、水の精霊は彼に忠誠を誓うかのように静かに頭を下げた。その瞬間、彼の「釣りスキル」がただの魚釣りに留まらない力を秘めていることを、レイは薄々理解し始めた。
「もしかして…このスキル、ただの釣りじゃない?」
彼は一歩踏み出すごとに新たな可能性に気づき始め、釣りスキルを通じて未知の力を引き出せることを知るのだった。
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