十四、論理くん、黒薔薇になる

「池田さん…。いくよ…」

論理くんの腕に軽く力がこもって、私はベッドに座らされた。論理くんの唇が近づき、そして、ディープキス。論理くんの右腕がするすると、私の左の乳房をつかむ。

「んっ…」

私は気持ちよさから、声を漏らした。論理くんは、一旦唇と手を離すと、私をじっと見つめながら、私の背中を弄って、ファスナーを下ろしていく。えっ…どうして脱がすの?恥ずかしい…。でも、それを言えない雰囲気があった。私、顔も身体も熱い。ドキドキする…。論理くんはやがて、背中のファスナーを全て下ろした。そして無言で、その顔を、私の胸に埋めた。

「論理くん…。あの…ちょっと…」

私がそう言っても、論理くんは何も言わない。目を上げて、とても熱い上目遣いで、私を見つめる。ドクン。と、大きすぎる私の鼓動が聞こえた。両腕が左右から伸びてきて、私の背中を抱く。いや、抱くのではなく、背中で何か指を動かしている。なんだろう?と、思うまもなく、ブラジャーが外れてしまった。

「ひゃっ!論理くん、なにするの…?」

「池田さん、俺たち、一つになるんだ」

あまり答えになっていないことを論理くんは言いながら、ワンピースをそっと脱がした。その瞬間、私の乳房が、外れたブラジャー越しに、そしてショーツも、論理くんの目に触れた。

「いやぁっ!恥ずかしいよぅ、どうしてこんなことするの?」

あまりに恥ずかしくて、私は手で胸を覆い、そう叫んでしまった。すると論理くんはにっこり笑って、こう答えた。

「怖がらないで、池田さん。だって、ちんことおまんこを一つにするなら、服の上からじゃできないでしょ」

「そっか…。でも恥ずかしいぃ…」

「恥ずかしいよね。だから、今度は俺も恥ずかしくなるよ」

論理くんはそう言って、Tシャツをあっさりと脱いだ。論理くんの色白で女の子のようなつるつるの肌をした上半身が、一気に私の目に触れた。

「きゃ!余計恥ずかしいよ!」

私は、きゅっとうつむいた。

「池田さん。男の子と女の子が、お互いの恥ずかしさを持ち寄って、絆という名の一枚の織物にするのが、これからのひとときなんだよ。さあ、俺の恥ずかしさをさらに受け取ってくれないか」

論理くんはそう言って、何かし始める。何をしているのだろうとちらっと見ると、ズボンのベルトを外していた。そしてズボンのお腹のボタンを外し、脱ぎかける。

「やー!論理くん何してるの!受け取れない受け取れない!」

すると論理くんは、忍者のように私の後ろにひらりと飛び移ると、次の瞬間には、私を背中から強く抱きしめていた。

「ごめん。こんなに胸を高鳴らせてしまって」

「…論理くん」

私のうなじに、論理くんの視線を感じる。

「うなじの剃り跡、ちょっと伸びたね」

「え?うん…」

「その剃り跡の、一点一点が、『論理くん論理くん』って、呼んでくれてるんだよね。この剃り跡は、池田さんの、魂だよ」

そう言って論理くんは、私のうなじの剃り跡に、優しく指を這わせた。恥ずかしさと共に、さっきの熱さがよみがえってきた。

「うん、呼んでる。いつも、どんなときでも、私の剃り跡は、論理くんを呼び続けているよ」

「ありがとう」

論理くんはそう言って、私のうなじに唇を近づける様子だった。次の瞬間、論理くんの舌が、私のうなじの剃り跡に触れ、ゆっくりと剃り跡を舐め回し始めた。びくん!私の体に電気が走った。さらに論理くんは、私の剃り跡を優しく舐め続ける。

「あっ…!」

私の口から、声が漏れた。そして、舐め回されるにつれて、私の息づかいが荒くなっていく。その荒い息づかいにあわせて、「あんっ…あんっ…」と、規則的に声が漏れる。気持ちいい…。熱い…。どうしてだろう…。えっと、あそこ…クリスマスとか言ったっけ?そこも触っていないのに。論理くんの舌は、剃り跡を舐めたまま。論理くんの両方の人差し指が、いつの間にか私の乳首をとらえていた。そしてその指が、勢いよく私の乳首を下から上へ弾く。

「あんぁああっ!」

この瞬間、更なる電撃が私の中を走った。乳首って…こんなに感じるの…?自分で何気なく触っても、何も感じないのに…。論理くんの指と舌が、続いて動く。優しいけれど、私を離さないという、熱い意志もこもったその動き。

「ああぁっ!あんっぁああっ!あん!ああん!あん!」

私の口から、こんな声が漏れていく。生まれて初めて聞く、私の声。こんな声、私の声じゃない!でも、声が出ちゃう。どんどん気持ちよくなっていく。

「池田さん」

論理くんの囁き声が、急に耳元で聞こえた。それにも、びくっと感じる。

「服、脱がしていいよね」

私は気持ちよさにとろけていて、なんだかわからないうちにこう答えていた。

「…うん」

論理くんは、私のブラジャーを脱がし始める。相変わらず優しい手つき。そして相変わらず、私に有無を言わせぬ手つき。やがて、ブラジャーがはらりと落ちて、私のCカップが明らかになる。論理くんは、私の肩口からそれを眺めた。

「池田さん…。おっぱい…きれいだよ…」

論理くんは、そう耳元で囁く。吐息が耳の穴を撃った。

「うう…っ!」

体がぴりぴりする。だけど、手も足も動かない。

「池田さん…。耳も急所なんだね。ありがとう」

というが早いが、論理くんの舌が、私の耳の穴に入ってくる。

「あはんっ…ああっ…!」

耳の穴に舌を入れられるとこんなに気持ちいいなんて…!身体がびくびくとひとりでに動く。私どうなっちゃうんだろう…。論理くん、私をどうするの…?ひとしきり耳の穴を舐めたあと、論理くんはまたあの手つきで、息が荒い私をベッドに横たえた。

「池田さん…」

論理くんは、手のひらを私のお腹に当てて言った。

「こんなときにも、腹式呼吸だね」

ニコニコ笑いながら、論理くんがそんなことを言う。

「あぁぁ…ぅぅ…論理くんん…」

私は、手で顔を覆った。

「だめだよ池田さん。俺、池田さんの顔、ずっと見てたい」

論理くんはそう言って、私の手を優しく取り除く。そっとやってもらっているのに、何故か全然抵抗できない。私の顔は露わになってしまった。私、今、どんな顔してるんだろう。

「ありがとう池田さん。今、すごくかわいいよ」

そう言われて、体中の血液が沸騰しそうだ。

「さあ、いいかな」

論理くんの手が、私の膝を二つ折りにして、ゆっくりと私の股を広げていく。

「やっ、だめぇ…だめだよぅ…」

それは、さすがに恥ずかしすぎるよ…。論理くんは手を止めた。その腕で、私の膝頭をそっと抱く。また、あの焦げ茶の瞳が、薔薇の蔓のように私を見つめる。瑞々しく、温かく、そしてその棘が、私を離さない。ひとしきり論理くんは、黙って私を見つめたあとこう言った。

「………見たいんだ」

論理くんの手に、もう一度緩やかに力がこもり、私の股が開いていく。見たいなら…見せてあげたいけど…恥ずかしい…。けど…論理くんになら…。私は、顔を手で覆いたかったけれど、論理くんが見てたいって言うから…。

「…ぅぅ…見たいの?」

論理くんは、爽やかな笑顔を見せて、こう言う。

「うん!」

論理くんの手が、私の股を開ききる。えぇ…こんなに開くの…。そしてその手が、私のショーツごしに、おまんこを優しく丁寧に撫でる。

「ぁうっ…」

「クラスの男連中が、池田さんのここを触りたい、見たいって、どれだけ思っているか知らないよ」

論理くんの胸式呼吸の息づかいが荒くなり、その肩の動きが激しくなってきている。私も多分、腹式呼吸で息づかいが荒いんだろう。

「でも今、池田さんのここに触れるのは、だあれ?」

「……っ…えぇ…」

論理くんだよ…。でも、声が出ない…体が…熱くて…痺れてて…どうしようもないの…。

「おや?何も答えてくれないの?」

論理くんはそう言って、指を少し動かした。

「ぎゃうっ…!」

私の身体に、また電撃が走った。間違いない、論理くんの指は今、あの、クリスマスとやらに触ったんだ。

「どうしたの池田さん?もう一回聞くよ、ここに触れるのは、だあれ?」

「はぁ…はぁ…うぅぅ…」

息が弾んで答えられない。

「池田さん。呼吸だけじゃ答えにならないよ」

また論理くんの指が動く。

「うぎゃっ!」

電撃が続く。自分で触ったときよりも、遥かに強い電撃が。

「池田さん。いい加減答えなさい」

え…答えなさいって…。論理くん…どうして私…こんなに燃えるんだろう…!

「…論理くん」

か細い声を、私は絞り出した。

「よろしい」

満足げに論理くんはうなづいた。そして再び、その唇が、私にとって銀河で一つだけの唇が、近づいてくる。私も、唇をすぼめて論理くんを迎えた。

「んんっ…」

私は、微かな声を漏らしながら、論理くんと長く舌を絡め合わせた。その唇と舌が離れたとき、論理くんが耳元で、黒薔薇のように囁いた。

「池田さん、脱がしていい?」

私は、論理くんという薔薇の鎖に縛られている。そして、それが悦びでもあった。抵抗などできるはずがない。

「…うん、いいよ」

論理くんの指が、私のショーツにかかる。そして、少しずつ、ゆっくりと、それを下ろしていく。論理くんは、いつもそう。少しずつ、少しずつ、ゆっくり、ゆっくり。それこそ、カタツムリよりもゆっくりと。でも、カタツムリだって動いていく。論理くんの指が、下へ下へと、動いていき、私の下の毛が露わになってくる。私の毛が…。

「論理くん…。身体が熱くて…インフルエンザのときよりも熱いよ…」

「じゃあ、こうしたら、インフルエンザを通り越して、猩紅熱になるかな」

論理くんはそう言って、私の生えかけたばかりの黒い茂みに、鼻を押しつけて匂いを嗅いだ。

「きゃああ!論理くん!汚いよ!」

「いい匂いだ」

私は今、世界中の誰よりも恥ずかしいと思う。

「もっといい匂いを、嗅ぎにいくぞ」

「えっ、どういうこと?」

私は、なんとなく答えがわかっていたような気がした。

「こういうこと」

論理くんはそう言って、さらにショーツを下ろしかける。

「待って!」

私は、さすがにいたたまれなくなって叫んだ。

「ん?池田さんどうしたの?」

論理くんの手も止まる。

「さ、さすがに、それは汚いから…洗ってくる!」

「汚いの?」

論理くんは、不思議そうな顔をする。さっきまでのような、私を燃え立たせるものではなくて、本当に不思議そうだった。

「当たり前だよ!おしっことかしてるし…」

「それは知ってるけど、女の子は、ちんこのように汚れたり、臭かったりするはずがない」

「なに言ってるの論理くん。汚れたり臭かったりするに決まってるよ」

「いや、女の子はそんなことにならない」

「え、だって」

「それに!」

「論理くん」

「池田さんだもん!」

論理くんが叫ぶ。

「池田さんだもん!なんだってきれいだよ。おしっこだって、うんこだって、俺、飲めるし、食べれるよ!」

論理くんの顔は、上気していた。私は絶句した。

「きれいじゃないよ…。それに、飲めるし食べれるって…本当?勢い任せで言ってるんじゃないの?」

「違う」

論理くんは、押し殺した声で一言だけそう答えた。次の瞬間だった。論理くんの身体がぱっと消える。私のショーツも股から消える。気がついたときには、私の股は大きく開いて、私のおまんこに論理くんの口と鼻が貼り付いていた。

「え!ちょっと…!」

やだ…絶対臭ってる!

「池田さん」

論理くんの低い声。勝ち誇っているように聞こえるのは、私の気のせい?

「これが証拠だよ。やっぱりいい匂いだ。ここもね」

私が答える暇もなく、論理くんは、その手で私のおしりを開き、穴にその舌を這わせた。

「ぎゃあああ!何するの!」

私は身を捩り、逃げようとした。でも論理くんの腕が私の足を万力のような力で押さえつけていて、動くことができなかった。そして論理くんは「はあああっ」と肩で深く息を吸い込むと、こう言った。

「池田さん、勢い任せじゃない。俺、池田さんのどんなところも愛おしくてたまらないんだ。だから洗うんじゃなくて、そのままの池田さんを俺にくれないか」

私は顎を引いて首を起こし、論理くんのほうを見た。論理くんも顔を起こして、私の股から私の顔を見る。見開いた論理くんの目が、ぎらっと私を撃った。

「論理くんは、私の全部を受け入れてくれるの?」

「うん!」

論理くんは、力強くそう返事をすると、また、私のおしりに舌を擦りつけた。

「俺は、池田文香の、全てが好きだ」

「あ、あぅ…、ぅぅぅ」

もう私は、うめき声しか出ない。論理くんの舌が、私のおしりを舐めていく。燃え立つような快感。ああ、おしりを舐められるのって、好きな人に舐められるのって、こんなに気持ちいいことだったんだ。でも、私のうんちが、じわじわと外に出ようとしているのを、そのとき私は否応無しに感じていた。

「論理くん、あの、うぅ」

論理くんの舌が一瞬離れる。

「どうしたの?」

「あの、あのね…」

恥ずかしさで頭がはちきれそうだ。

「あの…」

「だから、どうした?」

わざとなのか、本当なのか、論理くんの声が苛立っているように聴こえる。

「ぅぅぅ、あの、もう、おしりを、やめてよぅ」

「なぜ?どれだけ池田さんが汚い汚いって言っても、俺には花のようにきれいなものだよ」

「そうじゃなくて!」

「そうじゃなくて?」

ああ、この人には、言わなきゃ通じない。あああ。

「………出そうなの」

「ん?」

「だから」

お願い論理くん、何度も言わせないでよぅ…。

「出そうなんだって」

「ほう」

論理くんが、にやりと笑ったのを、私はお尻の皮膚ごしに感じた。

「わかった」

論理くんの頰が離れた。ああ、許してくれた。…と、思うが早いか、論理くんの両手が、獲物に飛びかかる蛇のように瞬時に伸びてきて、私の両方のおしりをつかむ。

「何するの⁉︎」

「こうするの」

論理くんの手が複雑に動く。片手で私のおしりをぎゅっと開けている。まさか!しかしそのまさかだった。

「ぎゃあああ、論理くん、指っ、指っ‼︎」

論理くんの指が、ぐねぐねとうねりながら、私のおしりに突き刺さっていく。痛い!変な感触!でもそれよりも何よりも、うんちが論理くんの指に付いてしまうんじゃないかということのほうが気がかりだった。

「やめてっ‼︎ほんとに、ほんとにうんち付いちゃうよおっ!」

「それがいいんじゃん」

ドライバーが螺子を押し込むように、論理くんの指はあっという間に私の直腸に達し、根元まで差し込まれた。

「ああ、ああ、ああ」

恥ずかしさが全身から噴き出して、床に染み込み、天井に届く。でも論理くんは楽しそうだ。意地悪。私を困らせて恥ずかしがらせて嬉しいの?

「池田さん」

「…なに?」

「なに、じゃないでしょう? 俺が呼びかけているんだぜ?」

「あぅぅ…論理くん」

「池田さん」

「論理くん」

「じゃあ、今度はさ」

私のおしりに指を突っ込んだまま、論理くんは身を乗り出す。目があった。蝉を取った男の子のような顔をしている。

「ぎゅううっとおしりを締めながら、『論理くん』とか『愛してるよ』とか、言ってくれないかな」

「やだよ、そんなことしたら…、…したら、……出ちゃうじゃん」

「なんだ、だめなの?」

「だめだよ」

「なら俺の指で、池田さんの掻き取るよ」

論理くんはそう言って、私の直腸の内面を、指で掻き取り始める。

「うわあああああっ!やめてっ!やめてっ!わかった、わかったよ。やるよ、やるからやめてよおっ!」

指がピタリと止まる。そして、

「池田さん」

「あぅぅ」

もう私は俎上の鯉だ。観念して、私は、いつも合唱しているときのように思い切り口を開けて、お腹と背中いっぱいに息を吸う。そして力の限り、肛門を締めた。

「っっっっっ論理くぅぅぅんっ‼︎」

「池田さぁぁぁん!」

「っっっっっ論理くぅぅぅんっ‼︎」

何度も呼び合ううちに、明らかに中身が下へ下へと動いていく。ああ、論理くんの指に付いているだろうな。そして最後。

「ずっと一緒だよぉぉぉっ!」

私は一層、息を吸い込み、肛門を締める。

「っっっっっっっっずうっと一緒だよぉぉぉっ‼︎」

ああ、もうダメだ。そう思う私のそばで、論理くんが笑う。こんな満足げな論理くん、見たことあったっけと思うくらい、笑う。

「ありがとう! 池田さん!」

こんな爽快な論理くん、見たことあったっけと思うくらい、爽快にお礼を言ってくれる。そして──。論理くんの指が、すぽっと抜かれた。

「ぎゃああああ!付いてない⁉︎付いてるでしょ⁉︎」

「もし俺が『付いてる』って言ったらどうする?」

「あああっ!知らない知らない!」

「だったら何があったって『付いてる』だなんて言うかよ。ああ、いい匂いだ」

いい匂いだ…って…。あぁ…やっぱりうんち付いてるのかな!なんだか臭いニオイがするような気がするし…。恥ずかしさのあまり、涙が出てきた。

「ああぁぁ…やだぁ…やだぁ…!」

論理くんが身を乗り出してくる。

「池田さん、こっち見て」

「あぅぅぅぅ…」

やっとのことで論理くんを見上げると、そこには、人差し指を突き立てた論理くんの、得意満面な顔があった。もちろん、その指の先には……。

「やっと、池田さんのを、食べれる」

声すら出ない私の前で、論理くんは、ぱくっと、それを、食べた。

「わぁぁぁぁっ‼︎何してるの論理くん‼︎」

私は、論理くんのあまりの行動にバッと起き上がり、心臓を射抜かれた蛇のような顔をするしかなかった。うんちを食べるなんて…食べるなんて…論理くん、どうかしてるよ!

「あー池田さん、今起きちゃダメなんだよ」

論理くんは、さっきの得意満面から一転して、それまでのような優しい顔に戻る。そして私の身体をゆっくりとベッドに戻した。

「え?え?」

「ちょっと出てるからね、お尻の周りとか、今シーツにも付いちゃってるし、きれいにしとかないと」

論理くんは、本当に「事も無げ」という言葉そのままにそう言って、私のお尻を、ウェットティッシュで丁寧に拭き始めた。

「えぇぇ…、うっ…ひっく…ぅぅぅ…論理くん…酷いよ…」

栄穂の街を素っ裸で歩いたってこんなに恥ずかしくはならないだろう。大好きな論理くんに、裸まで見られたあげく、うんちまで漏らして、見られて、それを食べられるなんて…。もう私、お嫁に行けない…。

「池田さん。いいんだよ」

「……え?」

「お互い、うんちきれいにするの、嫌じゃないだろ?」

論理くんのウェットティッシュが、優しく、でも手際よく、私のお尻に走る。ねばねばしているのが消えていく。

「え、そ、それは…」

「俺たち、そんな、男と女なんだよ」

そんな男と女。それはどんな男と女なんだろう。少なくとも論理くんは、私のいちばん不潔なものを見ても、いちばん嗅ぎたくないにおいを嗅いでも、こうして普段と変わらずにいてくれる。なら、私のどんなところだって、論理くんは受け止めてくれるよね。それに私がおばあちゃんになって、足腰が立たなくなっても、論理くんはこうして私を支えてくれるよね。そう考えたら、汚くて臭くて恥ずかしくてしかたがない私の臭いの中で、また私の胸が熱くなり、熱い涙が頬を流れ落ちていった。

「うっ…うううう…論理くん…。ぅぅ…すはあああっ、汚いのにごめんね…。でも、…ひっく、ありがとう…」

「漏らした池田さん、かわいかったぜ。またやろうな!」

「かわいかったって…うううぅ…論理くんの…変態!」

「俺は自分が蝶々だって自覚している」

「どういう、意味?」

「理科で習っただろう、蝶々は卵・幼虫・蛹・成虫の全部になる。これを『完全変態』という」

「あははっ、そういえばそんな言葉あったね。うん、論理くん『完全変態』だよ!」

私のお尻はきれいになったようで、論理くんは茶色く汚れたウェットティッシュをゴミ箱に捨てた。部屋にはまだ、きついにおいが充満している。でももう、そんなこと気にならない。

「池田さん…」

論理くんは微笑みながら、ズボンを降ろし始めた。着ているもの全部を論理くんは脱ぎ捨てる。そして、私の目の前には──。

「ろ…論理くん…それ…」

論理くんの股間には、ピンク色をした、大きくそそり立っている何かがあった。これが、ちんこ?お父さんや正志のちんことは、まるで形が違う。第一、大きさが違う。お父さんや正志のちんこの、少なくとも三倍、ひょっとしたら四倍はある。

「見て。池田さんを、こんなにも求めているんだよ。俺、早く池田さんと一つになりたい。もう、ここ、脈打ってる」

論理くんの顔は、優しそうだけれども、何かを必死に堪えていた。

「…うん。私も、早く論理くんと一つになりたい」

論理くんが歩み寄ってくる。それと同時に、あの大きなピンク色が、私の眼前に迫る。誰に言われた訳でもないのに、私はそのピンク色を、両手でしっかりと包んでいた。

「あふふぅっ!」

論理くんの口から思わず漏れたであろう声。まず右手が、さらさら。

「あふふぅっ!」

次に左手が、さらさら。

「あふふうぅ!」

さらさら。あふふぅっ! さらさら。あふふぅっ! さらさら。あふふぅっ!

「論理くん」

「あふ…、い、池田さん」

論理くんは、さっきまでの余裕はどこにいったのか、熱い呼吸を漏らしている。

「なんか…ネバネバしたのが出てきてる…」

私が論理くんのちんこをさらさらとさするたびに、先端から透明でネバネバした液体が出てきていた。それが私の両手にも付いた。それと同時に、ちんこから論理くんの匂いが漂ってきて、私をくらくらさせた。よく見ると、論理くんのちんこの先には、酒粕のようなものがちらほらとあって、そこから論理くんの匂いが強烈に漂ってくる。

「論理くん。ネバネバがあったり、白いの匂ったり、楽しいね。ねえ、舐めてもいい?」

「あ!」

今まで聞いたこともないような声で、論理くんは困惑した。

「だめ!洗ってないから!汚いよ!」

「どの口が言うか!」

私は論理くんのネバネバと酒粕を指に取って舐めた。しょっぱい…けど、これ…こんなような味の食べたことあるかも…。お父さんのお酒のつまみのイカの味がする。そしてそのあとから、ツーンとした論理くんの匂いが口の中に充満した。

「ダメだってぇ」

論理くんは顔を真っ赤にして呻いた。

「ふふふ…仕返しだよぉ。…でも、なんだか嬉しい。論理くんの味と匂い…嬉しい」

正直言うと、まずいし結構匂いがきつい。でも、論理くんの物だと思うと、愛おしいしいい匂いに感じられる。何故だかおまんこが熱くなっていた。

「恥ずかしい。もう俺、外に出られないぃ」

「どの口が言うか!」

恥ずかしい恥ずかしいと呻く論理くん。私は楽しくてしかたがない。酒粕も大方舐めきる。きっと私の口も、同じ匂いがしているだろう。

「池田さん…池田さん…。もう俺、我慢できない!」

論理くんは、切なそうにそう言うと、私をベッドに押し倒した。

「きゃっ!」

ベッドに仰向けで横たわった私の上に、論理くんが覆いかぶさってきた。論理くんの顔が目の前に来る。その目はギラギラとしていて、口からは荒い吐息がはあはあと吐き出されている。その吐息の匂いに、私はまたくらくらさせられた。

「よし。それじゃ、あれを」

論理くんは、お母さんが置いていってくれた『うすうす』とかいうのを取り出し、袋を破った。なんだかピンク色の輪に、その名前の通りすごく薄い膜が張ってある。論理くんは素早くそれをちんこに付けた。論理くんのちんこの、前半分くらいがちんこに被さる。

「池田さん。初めは痛いと思うけど、出来る限り優しくやるからね」

痛い?え?一つになることって痛いの?でも、早く論理くんと一つになりたい…!

「うん…論理くん…」

「うん。じゃあ、行くよ」

エアコンの音と、外から聞こえる蝉時雨と、私の心臓の音が、合唱する。外からは、真夏の太陽の日差しが窓から降りそそぐ。部屋中には、私の恥ずかしいにおいが漂い続けている。論理くんのちんこが、私のおまんこに当たった。グリグリと動き、私の中に入ってこようとする。でも、なかなか入れない。何度か入ろうとしているうちに、ちんこがお尻の穴に当たった。そして入ろうとする。

「ちょ!論理くん!そこ違うよ!」

「俺はここでも別にいいんだが」

論理くんはそう言って、私のお尻の穴をちんこで突ついた。

「やっ!痛い!それに今度はちんこにうんちが付いちゃうよ!」

「そうか…」

論理くんの声が困っている。

「どうしたの?」

「あのさ…。ちょっと、さ…」

論理くんは本当に困っている。やがて論理くんの指が私のおまんこに触れ、あれこれガサゴソと弄り始めた。電撃が体に走る。

「ひゃっ!な、なに?どうしたの?」

ちんこを入れるんじゃなかったの?でも、触られるの気持ちいいからずっとこうしていてもいいかな…。

「ちょっと、待ってて…」

論理くんはなおもガサゴソしている。ああ、だめ…。熱い、熱いよぉ。

「よしここだ!」

さっきまでの焦り満載の声から一転して、勝ち誇ったような声になる論理くん。表情の豊かな人だと、こんなときにさえ思う。

「待たせた。いくよ池田さん!」

論理くんの指が離れ、ふたたび、あのピンク色がやってくる。おまんこに当たり、グイっと押し当てられ、そしてゆっくりと私の中へと進む──。

「痛っ‼︎」

思わず声が出た。痛い!おまんこが破られそう。

「痛い?」

心配げに論理くん。

「ごめんね。ゆっくり進むからね。でも、どうしても、もうちょっと深くまでいかなきゃいけないんだ」

論理くんのちんこが、温かくそう言ってくれる。でも言葉とは裏腹に、ちんこはさらにぐいっぐいっと私のおまんこを破っていく。ぬるっとした感触。血が出ているのかもしれない。

「ねえ…論理くん…。本当にそこなの?」

「うん。ここで出血するのなら、間違いない。信じて」

やっぱり血が出てるんだ…。一つになるのって血が出ることなんて知らなかった…。

「うん…、わかった」

ちんこがズブズブッと中に捻じ込まれてくる。なんだかおまんこが窮屈だ。キリキリとした痛みがある。でも、論理くんと一つになれるなら…。私は、目をギュッとつむって痛みに耐えた。

「たぶん…あと…少し…」

論理くんの声も熱く上ずっている。

「池田さん、これで…もういいっ」

論理くんはその声とともに、一気にちんこを捻じ込んだ。何か大きなものが、私を突き通す。

「あぐっ…!」

痛みとぬるぬるがさらに増して、私は顔を歪めた。

「池田さん、入ったよ。俺のちんこ」

「本当⁉︎それじゃあ私たち、一つになれたんだね…」

嬉しい。論理くんと一つになれた。この痛いのを我慢した甲斐があった。

「それじゃ、動かすからね」

「え? 動かす?一つになったから終わりじゃないの?」

今だってこんなに痛いのに。そこから動かすなんて。

「いや、実は動かさないといけないんだ。できるだけ優しく動かすから、ついてきてね」

「そうなんだ…うん、わかった」

論理くんのちんこが、私の奥の奥までやってくる。そして、ゆっくりと戻っていく。

「うっ…うっ…」

痛みから声が出てしまう。論理くんの顔を見る。そこには、恍惚とした論理くんがいた。論理くん…なんだか気持ちよさそう…。動かすと気持ちいいのかな…。論理くんが気持ちよくなってくれるのなら、痛みも我慢できる。

「痛いよな、池田さん。俺の、大きいし、太いからさぁ。でも…、頼む…、池田さん、俺を、気持ち…よく…してくれ!」

「うっ…うん…論理くん…私で気持ちよくなって…!」

「…ありがとうっ!」

論理くんのちんこがまた、大きく、深く、動き始める。痛い。でもその動きは、何と言ったらいいんだろう。大きく、また、深く。私の奥へ、前へ。浜辺に打ち寄せる波? いや、もっと緩やかだ。論理くんの幅広さ。そうだ。夜空に浮かぶ満月が海を引き上げ、潮が満ちる。あのリズム。潮が満ち、論理くんが奥へ。潮が引き、論理くんが前へ。ああ、私は海。論理くんという満月に抱かれている。論理くん、論理くん。熱い。温かい。

「あふっ! あふっ!」

論理くんの息遣いが一気に高まる。論理くん、論理くーーーーんっ‼︎

「ああ、ああっ、あふぅ、あふぅ! いけ…だ…さあああぁぁあん‼︎」

熱い何かが、私の中に吐き出される。次の瞬間、論理くんが私の上に崩れ落ちてきた。

「ろ、論理くん…っ、どうしたの?」

論理くんの汗だくの身体が、私の上で激しく息づいている。論理くんの汗が、私の身体を伝う。窓の外から、太陽の強い日差しが降りそそぎ、部屋の中には、私のどうしようもないにおいと、論理くんの愛らしい匂いが混ざり合っている。論理くんの激しい呼吸が耳元で聞こえる。私は、その呼吸を全身で感じた。

「はあっ、はあっ……。い、いけだ……さん……」

論理くんはやっとのことで、私の名前を呼んだ。

「論理くん…大丈夫なの?急にどうしたの?」

「大丈夫だよ、池田さん…ありがとう。すっごく、気持ちよかった!」

「気持ちよかった?それ、どういうこと?」

私がそう言うと、論理くんは、「相変わらずだな」と言うような苦笑いをした。そして、自分のちんこを私の中から抜く。そして何かを取り出してくる。

「これですよ、これ!」

論理くんはそう言って、それを私の目の前に出す。

「えぇ、なに、これ?」

「これが俺の、精液だよ。ついさっき、俺の中から、池田さんの中に出て行ったんだ」

「この白いのが、精液?」

論理くんの、精液。こんなに白いんだ。なんだかカルピスみたい。この中に、赤ちゃんのもとが入ってるんだ…。論理くんの体から出てきたもの…。私は、胸が熱くなった。

「ねえ、これ、舐めたら赤ちゃんできちゃう?」

「舐めたら?……ぶっ」

論理くんは吹き出すと、しばらく大爆笑した。

「ははは、言ったろ。セックスすることで俺の精液が池田さんの子宮に行って、赤ちゃんができるんだよ。口からはありえない」

ひとしきり論理くんはそう解説していたけれど、急に真顔になって私に言う。

「……舐めたいの? 俺の?」

「うん!舐めたい!」

「そうか」

論理くんは嬉しそうだった。

「俺のでよかったら」

と、白いコンドームを私に渡してくれる。私はそれに人差し指を入れ、中の精液をすくい取った。思いの外、粘りが強い。指によく絡んでくる。私はその白い粘りを、どこかまだ論理くんの温もりが残っている粘りを、思い切って口に入れた。

「ん!んー、なんの味もしないね」

甘かったりしょっぱかったり苦かったり、何か味がするのかと思ったけれど、まったく無味だった。コンドームの中に鼻を近づけてにおいを嗅いでみると、今まで嗅いだこともない独特な匂いだった。

「その匂い、よく『栗の花の匂い』って言われるよ」

「栗の花の匂い?」

「と言っても、俺も、栗の花なんて見たことも触ったこともない。お店で買う甘栗ならよく食べるけどね」

「甘栗おいしいよね。私、ついつい食べ過ぎちゃうんだよね。私も、栗の花見たことないなぁ」

「それにしても、池田さんが俺の精液を舐めてくれるとは思わなかった。ありがとう」

論理くんは、嬉しそうに笑った。

「論理くんの身体の中から出たものなんだから…舐めたいよ。あははっ」

「俺も、池田さんの身体から出たものが愛おしい。さっきみたいに」

また論理くんそんなこと言って。思い出したくないもの思い出しちゃったじゃん。そういえば、あのにおいがまだしている。

「だからそれとこれとは違うって!」

「どう違うんだよ」

「それは……ぅぅぅ」

論理くんは、そんな私を見てニヤニヤ笑っている。もう、相変わらずなんだから。でも、なんだか嬉しい。

「池田さん。俺、池田さんとこんなに気持ちいい時を過ごせて、もう言葉もないよ。ありがとう」

論理くんはそう言って、私を優しく抱き寄せた。さっき論理くんのちんこが入っていた辺りが僅かに痛む。でも、その痛みはとても心地よいものに感じられた。論理くんの汗でベタついている体が、私の体に張り付く。ああ、論理くん、汗まで愛おしいよぅ。

「私も、論理くんと一つになれて嬉しかった。ありがとう論理くん、大好き」

蝉の鳴き声が、拍手をしてくれるように聞こえる。私たちは、そうしていつまでも抱き合っていた。

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