第1話

「…………」








「…いっくん、おはよう」







「あぁ…」








「いっくん、あのね今度ね、

一緒に映画みにいきたいな」









「…しばらくは仕事が忙しい。

それに映画なら1人でも行けるだろ?」










「…そっか、そうだよね…」










「…俺はもう仕事に行くけど、

戸締りはしっかりしろよ」








そう言って彼はリビングから

出ていってしまった。







「……あと一週間しかないのになぁ…」







彼がいなくなった静かなリビングで

私は小さくそう呟いた。

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