ノートに書かれた落書き
みんな私を見てくれません。
父と母はいつも家にいません。
一昨年は誕生日ぐらいは帰ってきたのに。
友達はいつも私が見えないフリをします。
みんな、わざと私の周りだけ席を開けて逃げようとします。みんな、掃除の時はわざと私の机にだけ触れようとしません。
でも、私は大丈夫。大丈夫です。だって、私はみんなと話すより、観察する方が好きです。楽しそうな、みんなが好きです。今日も、みんな楽しそうね。
第三者は楽しいものね。そうだよね?
だからいつも私の前じゃ、ニコニコしてるのに裏だと陰口ばっかり言ってるんでしょ?
いいね、楽しそうだね。だったら私も楽しませてよ。ねぇ、莉珠ちゃんは、私が裏で、貴方が今までやってきた事について噂を流しているのは知ってる?
知らないよね?
そうだよね?
友達と愚痴を言い合うのは楽しいもんね。
知っているよ。私は大体知っている。
失恋は悲しいけど、友達は残ったね。
今日も楽しそうね。
いつも第三者のフリをして、他人の争いを眺めている莉珠ちゃんが許せない。
いつも他人に責任を押し付けて、自分に都合の悪いことは、ぜーんぶ忘れちゃう佳奈ちゃんも許さない。
女子にチヤホヤされたいからって、他の女子と私の陰口を言っている
みんな、楽しいのね?
そうだよね?
でしたら、私にも楽しみを下さい。
許さないよ。みんな、許さない。
私を、いじめるヤツは許さない。
私を、馬鹿にするヤツも許さない。
幸せそうなヤツは気に食わない。
毎日笑っているヤツも気に食わない。
みんな許さない。でも、みんな大好きだ。だって、私の遊び道具になってくれるから。
中学一年生のとき、私に嫌味を言った■■ちゃん。あの子が絶望したとき感じた高揚感は、今でもハッキリと覚えている。
みんな、みんな、痛い目を見ればいい。
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