SNSに投稿された体験談まとめ


 投稿日:2022年6月3日

 いいね数:211


 これは俺が下校中に起きた話だ。

 もう日が沈んだ時間帯。

 部活帰りで疲れていた俺は、バスに乗り込んで、座るや否やすぐさま眠気に襲われた。

 視界がぼんやりして、周りの声が遠のいてきた、その時――黒色のフードつきローブに身を包んだ婆さんがバスに乗ってきた。


 婆さんは俺の隣に座ってきて「アンタ、バスを乗り過ごすよ」と言ってきた。たぶん、俺が、うとうととしていたから、忠告してくれたんだろうね。


 だけど、残念ながら眠気に負けた俺は、まぶたを閉じて夢の中に沈んでいった。


 それから五分ぐらい経って目が覚めた。

 バスには婆さんは、おろか誰にもいなかった。慌てて現在地を確認してみたら、一つ停留所を乗り過ごしてしまっていた。

 婆さんの予言が当たってしまったらしい。


 俺が状況を察して降車ボタンを押そうとしたら、バスが停留所に止まったから、すぐに降りた。俺が降りると、バスは誰も乗せずにそのまま発車した。


 結局、あの婆さんは何だったのかな?



【コメント欄】


・婆さんの言い方よ


・不思議な話ですね


・マジでつまらん


・え、これ怖すぎ。客は誰もいないのになんでバスは止まったの?



*



 投稿日:2022年8月21日

 いいね数:64


 私の友人も同じような老婆に遭遇したことがあります。友人は二十代後半の女性で、二階建てのアパートに住んでいます。


 先日、友人から電話がかかってきました。彼女とはいつもSNSで、やり取りしていて、電話がかかって来ることは少ないので、何ごとかと思いましたね。それで電話に出てみたら「帰宅したら家が何者かに荒らされていた」と言われたんです。


 友人が言うには、アパートに到着してエレベーターに乗り込もうとしたら、全身黒ずくめで顔が見えない、お婆さんが出てきたそうです。

 お婆さんは「お客様を待たせている。早く出迎えないとねぇ」とだけ言って立ち去りました。入口で客を待たせているのではないかと、思った友人は様子を見に行きましたが、家の前には誰もいません。

 どうやら杞憂だったようです。

 家の鍵を開けて中に入った友人は、絶句しました。なぜならば、まるで空き巣でも入ったかのように部屋が荒らされていたから。

 すぐに窓を確認しましたが、全て閉まっていました。空き巣が入れそうな場所は、どこにもありません。


 そして不安になった友人は、私に電話をかけたとのこと。事情を聞いた私は「とにかく警察に連絡しなよ」と言いました。

 翌日、友人に電話をかけてみましたが、繋がりません。無事でしょうか?



【コメント欄】


・これ終わったヤツだ。


・おい、今すぐ友人宅へ行け。



*

 


 投稿日:2023年3月2日

 いいね数:51


 最近、誰かにつけられている気がするんです。職場に行っても、近所のスーパーに行っても、果てには旅行に出かけても、誰かにつけられている気がします。


 まさか、ストーカーですかね?


 昨日なんて、街灯がない夜道を歩いていたら、後ろから足音が近づいてきたんです。怖くなってきて、走って家に帰ろうとしたら足音も早くなって、逆にゆっくり歩いてみたら、ストーカーの足音も、こちらのペースに合わせてゆっくりになりました。


 もう、本当に、怖くて、怖くて、ついに我慢の限界が来て「助けて!」と叫ぼうとしました。すると、路地裏から真っ黒な服を着たお婆さんが出てきたんですよ。

 お婆さんは「この路地を通って、お帰り。少し遠回りになるけどね」と言って立ち去りました。あの時、私はパニック状態で、そのまま、お婆さんの言葉を鵜呑みにして、帰宅したんです。


 そうしたら無事にストーカーを、撒けたみたいで、何事もなく帰れました。

 お婆さん、ありがとう。



【コメント欄】


・お婆さん、すげぇな


・警察行け、警察


・さりげなく第二のストーカー現れてて草


 


 


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る