1章1話 唐突の旅路
「お前にその意志を貫く覚悟があるならば受け取れ」
ツカイノモノと名乗る30cmくらいの赤を基調としたサリーを纏った女人形にそう言われて古びた茶封筒を受け取った瞬間、自宅とは全く異なる場所にいたことに困惑するニマラたち。
「ここは紫道」
紫道と言われた場所は横幅1.8mくらいの石道路でその両サイドには赤、橙、黄、黄緑、水、青、紫、桃のチューリップが咲き誇っていた。
「今からお前たちが大会に出るまで、出ていない時の待機場所となるところへ向かう。それまでに伝えないといけないことも伝えておく。1度しか言わないからそれを読んで覚えておけ」
ツカイノモノはニマラに1枚の紙を渡した。紙には次のことが書かれていた。
1.殺人、暴力、性行為、誘拐等を禁止
2.洗脳を含む布教の禁止
3.21時以降の外出、壁越しでも分かるような騒音を禁止
4.故意による器物の破壊を禁止
そうでない場合は破壊した者が必ず片付けること
5.出場となり呼ばれた場合、10分以内に使いが案内した場所へ着かないと退場とみなす。
6.未成年の飲酒、煙草を禁止する
7.肉体的特徴をもって男性、女性と判断する
8.能力の使用の禁止
以上の事項を1つでも反した者は即退場とする
「今教えたのは待機時のものだ。参加者が全員揃って大会の細かなルールとか伝えられる。さ、着いたぞ」
紙から視線を外し前を見たニマラたちの瞳には物語に出てくるような綺麗で豪華な、山をも越えるような壮大な城が映った。
「すっすごい...」
「でっけぇーーーー」
「わ………………ぁ」
「ここはお前たち参加者の家のような場所となるJerk's OASIS だ」
さっさとお前たちの部屋へ行くぞとツカイノモノは扉に触れるギリギリまで近づいてその小さな腕からは聞こえることがないだろうドンドンドンと音をならして扉を叩いた。
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