第15話 「エピローグ~魔王の疼き」
わらわの名はクライスライン=リータ=レイア。リータ魔王国の魔王じゃ。
わらわ達は人間の勇者共に攻略され、多くの配下を失い、不覚にも敗北を
封印されている間は不思議と居心地もよく、悪い気はせなんだ。身体のダメージも自然に治ってしまったしのう。
じゃが、あやつ、なぜわらわを殺さなかったのだ? すごく気になる。もし願わくば、奴から訳を聞き出したいと思った。
それからしばらく経ち、わらわの願いが通じたのか、何と復活を果たすことができたのじゃ。しかもわらわを復活させたのは例のあやつじゃった。
何のために生かされたのか気になっておったが、何とこやつ、わらわに対して結婚を申し入れてきおった!!
わらわは
わらわはこやつの願いを
それからこやつと色々経験したが、面白き事ばかりじゃった。こやつ、結婚を受けた理由を聞いてきおったから、面白きやつじゃからと正直に答えてやったわ。あの時の驚いたあやつの顔と言ったらなかったわ。
いや、本当は正直ではなかったのかもしれぬ。わらわに根付き始めておる、かすかな
じゃが、わらわにもはっきりとはわかっておらなんだ。その
今は少しそれを理解するようになってきた。その時は無意識ではあるが、認めたくなかったのかもしれぬ。魔王であるわらわがそのようなものに
タクトには、まだ黙っておくつもりじゃ。こんな事を言うとあやつをつけ上がらせるだけじゃからのう。
そんな事よりも今後の事じゃ。タクトにはきちんと話さねばならぬ。わらわの国が直面している問題を。協力してくれるかはわからぬが、ダメならその時はまた考えるとするか。
そして急ぎ再建せねばならぬ。この国をここで滅ぼすわけにはいかぬのだ。先代までの魔王達が築き上げてきたものを。わらわの代で終わらせるわけにはいかぬのじゃ。
それがわらわの生きる使命でもあるのじゃからな。
第一章 クラヴェール王国編 完
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
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次回から第二章になります。主人公タクトがたくさん活躍しますので、存分にお楽しみいただければ幸いです。引き続きのお付き合いのほど、よろしくお願いします。
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