第114話 フランス国境ペスト菌対策・織田信忠覚醒

 1574年8月1日


 マドリード郊外50km

 織田スペイン空軍基地・中央司令室


 濃姫

「スペインとポルトガル国内の人間・ネズミ・ノミ・野生動物・害虫・家畜等全てをチート鑑定した結果、幸い今のところペスト菌は確認されませんでした。

 念のためチートエリアヒールを重ね掛けしてウイルス除去しましたが、他地域から入国する船舶検疫の徹底をシステム化しなければなりません。」


 美幸みい

「濃姫様とも話したのですが、横幅10km程の巨大ゲートを作ってもらい、そこを通過しない船はポルトガル・スペインの港へ接岸許可を出さない様にしたいのですが?」


 信長

「ペスト菌やインフルエンザウイルス等に対する、徹底した水際対策だな。」


 濃姫

「強制的な検疫を根付かせればやがて習慣化され、大日本皇国・スペイン・ポルトガルの3か国はそういう国であると、世界中に認識させるしかありませんね。」


 美幸みい

「船舶は港に入れないと上陸できませんので対策も可能ですが、問題は陸続きになるフランスとの国境です。」


 織田信忠関白殿下

「関所破り検挙の徹底ですか。」


 織田信長

「今現在国境線は80km間隔で

 初期の浮島型東京ドームを5基設置し関所としている。そこを破れる軍事力を持つ国は無い。

 人間と言うよりペスト菌保有しておるネズミや害虫等が問題となるだろうな。」


 濃姫

「それで私とみいちゃんで関所以外の場所に、チート結界を張ってしまおうかと。」


 信忠

「国境にチート結界って!!母上様、東西に400kmはありますよ。」


「私とみいちゃんで200kmずつでしょ。そんなの楽勝よw」


 信長

「帰蝶はまだしも美幸は大丈夫なのか?」


「はい。濃姫様の折り紙付きです。」


「チート結界の"強度だけ"なら私に引けを取りませんよ。」


 信忠

「す、凄いんですね(汗)」


 美幸みい

「時間は濃姫様の倍ほどかかるので、まだ未熟者です。」


 信忠

「いやいやいや未熟者って(汗)結界を張れること自体が神の所業なのですから、未熟の使い方が間違っているかと………」


 信長

「ははははは信忠、お前も張れるではないか。それにしても美幸、いつの間にそこまで神力をアップさせたのかは知らぬが凄まじいものだな。して帰蝶よ、具体的にで完成できる?」


「高さ500m厚さが5mの結界を200kmです。私で30分みいちゃんで1時間あれば完成ですね。」


 信長

「はっ?何を言っているのだ帰蝶?」


 信忠

「ははは…聡明な母上様らしく無いですな。2kmと200kmを間違えたのでしょうw」


 信長

「よせ!のぶただ。。。」


 ブスッ!ブスッ!

 濃姫の左右の手から鋭い3m程の槍が2本され、信忠が座る椅子を貫いている。


 濃姫

「信忠……口を慎みなさい。息子でなければ串刺しにしてましたよニヤリ」


 信忠

「あっあぁぁ~~~(大汗)」


 信長

「帰蝶!結界で作った槍を飛ばしたのか?(汗)」


「はい、先月辺りから出来るようになりました。最初は10m位しか飛ばなかったのですが、今は800mはいけます。ニコニコ」


「それはもう立派な遠距離攻撃であって、防御とは呼ばないぞ(汗)」


「そうですか?みいちゃんも50mぐらい飛ばせますよw」


「なっ!なんで?それもレンタル能力なのか?」

 信長は濃姫と美幸姫を呆れ顔で見ている。


 美幸みい

「濃姫様に教わったその日から出来るようになりました。指先が何か不思議な感覚です。」


「そ、そうか、、ははは……まあ何だな、護身術を身に付け強くなるのは良いことだ。なあ信忠…」


「強くなる?護身術?

 チート結界だけで十分強いうえに、父上も仰ったように強力な遠距離攻撃力!もはや護身術の域を逸脱してますよね………」


 濃姫

「??信忠にもチート結界はレンタルしてますよね。槍は出せますか?」


「ええまあ、この程度の大きさですが」


 ブスッ!ブスッ!

 左右の手から直径3cm長さ50cm

 槍と呼ぶには少し物足りない突起物が光っている。


 信長

「ほお、お前も出せるんだな」


「はい。しかしこれでは刀よりも短いので、何時でも出せる脇差しを2本持っているだけの感覚ですが。」


 濃姫

「信忠、中指の先だけに集中して念を込めなさい。」


「えっ!中指に念ですか?」

 言われた通り腕から指先へ感じる光の流れを、中指先端に集めるイメージをする信忠


「おおお!これは!」

 直径3cmは変わらぬが長さが1割ほどの5cmに圧縮され、見るからに硬そうな弾丸形状に変化していく。


「貴方!厚さ2~3mほどの木材を出して下さい。」


「分かった!」

 収納から3mの木を2本取り出し、中央指令室の壁前に設置する信長。


「良いですよ~信忠!そのまま壁前の木に向かって勢いよく飛び出るイメージ、そうですねAPC9マシンガンを発射する感覚を指先に込めなさい!」


 美幸みい

「発射!って口に出すと感覚が身に付きやすいですよ。」


「う!ううう!何だこの感じは!!」

 信忠の中指だけにあった弾丸が

 両手10本すべての指先に現れ、勢いよくスクリュー回転を始めている。


 美幸姫

「今ですよ!」


 信忠

「発射!!」


 ズガガガガ!ズガガガガ!

 信忠から放たれた10発の弾丸。

 20m先に設置された木を勢いよく貫通し、更に後方2mの壁に10ヵ所の穴を空け、回転していたのであろう摩擦により煙が出ている。


 信忠

「え?えええええ!!」


 信長

「3mの木を貫通しておる!帰蝶には及ばないにしても、速度もなかなかどおして火縄銃より速かったでは無いか!」


 美幸

「凄いですね!私は朝から1日練習して夕方やっと出来るようになりましたが、1回目で大成功とは!」


 濃姫

「直径が3cmと変化ないのに長さが50cmから5cmにまで超圧縮されています。形状も弾丸タイプとなり特筆すべきはその硬さ

 "モース硬度10"ダイヤモンドと同レベルですね(汗)しかも激しいスクリュー回転まで加えられ貫通能力に特化しています。

 プレートアーマー(西洋甲冑)や鉄の盾も紙同然!容易く貫けることでしょう。」


 信長

「帰蝶!結界レンタルしている信包・利家の2人にも至急伝授してくれ。」


「はい勿論です。信孝はどうしますか?」


「あいつはまだ早い。精神的に未熟な者が強力な武器を持つと身を滅ぼす。仕事を通し余が心を鍛練しておる。

 それを乗り越え1人前の武将になった時、許可を出そう。」


「畏まりました。」


「フランス国境のチート結界は明朝、余と共に現地に飛ぶぞ。護衛のAPC9部隊も用意するゆえ宜しく頼む!」


「はい分かりました。ではみいちゃんの5ヶ月検診で東京のクリニックに戻ります。行くわよみいちゃん。」


「はい、宜しくお願いします。」


「ん?転移ルームか?面倒だ行くぞ」

 シュン!

 信長は2人の嫁を連れて東京に転移。1人取り残された信忠であるがまだ放心状態。


「そんな馬鹿な……両手から弾丸が発射されるなど……俺はもう人間ではないのか………」


 ズン!


 信長

「戻ったぞ、ん?まだ惚けておるのか?」


 信忠

「ああ~父上、母上様たちは?」


 信長

「信忠……まあ無理もないがしっかりせい。

 それよりヨーロッパ遠征部隊全員1ヶ月の休暇を日本で過ごし、皆ずいぶんとリフレッシュできた様子だったな。

 それぞれ新しい赴任地へ喜び勇んで転移していったわいw」


 信忠

「……ええまあそうですね。

 特にグリーンランドの柴田、徳川、宮城は張り切っていました。」


「あの地は織田グリーンランド空軍基地を新設しておる故、権六勝家は喜びもひとしおだったのおw分かりやすい奴よw」


「柴田は第8空母を任されたのもあるでしょう。船酔いを嫌がって今まで辞退しておりましたが空母とは名ばかりの実質は島と、慣性ゼロ装置を理解してからというもの真っ先に希望しておりましたw」


「ははは、グリーンランドは資源も豊富で大切な土地だ。それも含めヨーロッパ全域に目を光らせるにも、このスペイン空軍基地が最も重要な場所となる。

 お前には関白を引き続き勤めてもらうが、それ以外は織田幕府の方で賄うゆえヨーロッパ大将軍として励めよ!」


「はっ!畏まりました。ここにも個人用の転移ルームがあるので、京都関白御殿との行き来も一瞬で助かります。」


「時は金なりだwどれフェリペが待っているでな行って参る。

 信忠、イングランド海軍には今後も表だって手を出すなよ。余の潜水艦部隊が秘密裏に沈めておる。それでも懲りなければ1度空爆を馳走してやるニヤリ」


 シュン!


「今や世界の織田信長皇帝閣下に成られたというのに、先頭に立って働いておられる。。。皇帝としての立ち居振舞い、全てを生きた手本とせねばな。」


 **********


 スペイン帝国マドリード郊外40km

 エル・エスコリアル修道院


 フェリペ2世

「織田皇帝閣下様。我等が11年かけてもまだ建築の途中。

 完成まで後10年はかかると見積もられていたこの修道院を、たった一晩で完成させて頂きましたこと、どんな御礼を差し上げれば良いものか・・・甚だ困惑しており・・率直に言うと困ってます(苦笑)」


 織田信長

「ほお。傲慢が服を着て歩いているフェリペ2世ともあろうものが、そのような殊勝な態度など似合わないぞw」


 アウストリア(フェリペ2世異母弟)

「ふふふ兄上様。傲慢が服を着る等と、言い得て妙ですねw」


 フェリペ

「アウストリアお前迄…まったくうるさいぞ!」


「はははフェリペ王よ。別に返礼など気にせずとも良いが、神聖ローマ帝国ルドルフ2世からの返事はどうだ?」


「交易についてかなり前向きで大麦・小麦・米・トウモロコシ・名護芋・黒砂糖は今回提供された分、全て買い取ると言ってますな。」


「価格は呑んだのか?」


「ええ、あの単価なら国内品と同程度。芋の甘さや麦米類の美味さは段違いで、品質的に極上部類と喜んでおりましたぞ。」


「そうか、では引き続き商談を進めてくれ。具体的引渡し日程なども先方に合わせるが、織田としては今月中を希望する。」


「その旨伝えましょう。今すぐにでも欲しいと言ってましたからな、問題ないかと。」


「それとなフェリペ王。フランスとの国境に結界を張る。織田の5ヵ所の関所以外の場所全てが対象だ。ネズミ一匹スペイン領土に侵入不可能となる。万全の防御だな。」


「そんな夢のような話が………可能なのが織田信長だったかw」


「そういう事だ、わははははは」



 織田信長とフェリペ2世

 意外にも馬が合ってるのか?スペイン・ポルトガル・グリーンランドの足場固めが着々と進んで行きます。


 イングランドやフランスがこのまま黙ってるかな~??ロシアもまだまだ野心満々そうだし。

 その辺含め【第9章】になるのかな?もちろん日本国内の内政開発にも触れていこうかと。


 ってことで【第8章】無事終了です。応援してくれた方々もお疲れ様でした。引き続き【第9章】お楽しみください。とーぜん毎日更新続行します。


 また明日m(_ _)m


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