第101話 織田宗家・軍事評定
織田宗家大陸・東京地区総合基地
織田宗家城・98F信長執務室
織田信忠
「父上、中東から地中海・黒海周辺地域の平定は無事終わりましたが、その後の領土拡大が膠着状態だと聞いております?」
信長
「ああ、軍事行動による力ずくなら今日中にでも終わらせる事は可能だ。」
信孝
「某は是非とも軍事行動に参戦致し、幕府軍ヨーロッパ戦のお役に立ちとうございます。」
信雄
「エーゲ海は美しいらしいですね~」
南光坊天海(浅井長政29歳)
「・・・・・力ずくをなさらぬ理由とは、ヨーロッパとの交易重視路線でしょうか?」
信長
「大きな理由は2つある。1つは天海が言うた戦より交易に重きを置いておる事。もう1つは一致団結させぬためだ。」
蒲生氏郷
「つまり織田家を侵略者とみなし、ヨーロッパ勢力が1つに纏まると?」
信忠
「ヨーロッパは陸続きの群雄割拠。織田の存在が無ければ戦乱状態が続くのでしょうな。」
信長
「戦乱状態が続いてもスペインやポルトガル、オスマン帝国にロシア等が経済的打撃をさほど受けなかったのは、ひとえに植民地を有していたからだ。」
天海
「今回まずはボルトガル支配下のゴアを征した事により、インドが織田家の支配下となりました。
これでポルトガルの経済力は急速に衰えるかと思われます。」
信忠
「オスマン帝国も中東諸国にキプロス島等を失い、制海権を織田に握られ苦しいでしょうな。」
信長
「ロシアツァーリ国とて同じ事。縦横に運河を掘られ、これ以上の領土拡大がままならぬ上に、織田幕府海軍が黒海に鎮座しておる。
このままでは経済的に厳しくなる、信孝お前ならどうする?」
「はっ!織田に勝てぬ以上、新たな植民地を確保するしか無いかと。」
「それよ、ロシアツァーリは近々オスマン帝国に攻めいるぞ。
皇帝セリム2世が病床に倒れ半年、回復の目処はたっておらぬ。
重臣たちの意見は纏まらずロシアからすれば絶好の機会。オスマン帝国の内情は編集映像にて、近隣諸国に報せてやったからなニヤリ。」
信忠
「先ずは両国を戦わせ、疲弊したところで介入ですかニヤリ。」
蒲生氏郷
「漁夫の利ですなニヤリ。」
天海
「労せずして両国が手に入るニヤリ。」
信孝
「・・・皆様の考えは恐ろしいです(汗)」
信雄
「シチリア島にも早く行ってみたいですね~」
信長
「・・・ああそうだな近いうち連れて行ってやる。その前にお前は千葉県知事として、銚子から船橋に抜ける新道路建設を完成させねばならぬぞ!
ルート上の芝山古墳群は絶体に保護するんだ。迂回路は作らずその部分だけ地下トンネルを掘れと言った。その後どうなっておる?」
信雄
「はい、"芝山トンネル"は緩やかな勾配で掘るため区間3kmになりました。そこ以外は片側3車線道路として一昨日完成してます。」
「ほおそうか開通予定は来年1575年12月20日だ。中々に頑張っておるではないか。」
「ええ千葉県庁職員に、とりわけ幕府都市計画部長の北条幻庵殿が相談に乗ってくれて、難工事のトンネルも年内完成予定です。」
「現場視察は豆に行っておるのか?」
「はい父上と信忠兄上に言われた通り、週に1度は必ず朝8時の朝礼で挨拶をした後に現場に入り、昼食のカレーライスを自ら労働者の皆に振る舞っております。」
「うむ。県知事としてやるべき事は多々あるが、それでも信雄が現場に顔を出す意義は大きい。
斯波家当主から織田の名に戻ったのだ。織田信雄の存在感を先ずは現場の民に知らしめる。千葉県民の心を掴むのだぞ。」
「はい、がんばります。それでシチリア島には何時行きますか?」
一同
「「「・・・・・」」」
信忠
「・・・これ信雄いまの話しは
"船銚バイパス"が開通してからだと言っておるのだ。お前はそれまで千葉県を離れてはならぬ。良いな励め!」
信雄
「はい、兄上。千葉を離れずがんばります。あっ!ここは東京都、こうしてはおられん。すぐ帰らないと(汗)」
信忠
「おい、そういう意味じゃない(汗)
今日は織田宗家のみの宴。その後の父上による、ヨーロッパにおける軍事的意図の説明だ。だから急いで千葉に戻らなくてもいいから。」
信長
「信雄、説明はまだ終わっておらん。座って聞いておれ。」
(信長の戦略)
織田幕府軍は国境防御を固め、ロシアツァーリ国とオスマン帝国の紛争を好きなだけやらせる。
疲弊した両国民に食糧医療支援を行い、必要とあらば織田領土内に一時的避難を認める。
軍事的にどちらにも加担しないが、当事国以外の勢力が介入の動きを見せた場合、即座にB-2スピリットによる空爆を行う。
その事は映像にて各国に事前通達をする。
*****
信忠
「これはロシア・オスマンどちらかが退くまでやらせるのですか?」
信長
「基本はそうだが成り行きだな、臨機応変に対応する。
戦は少しのミスで一方的に傾く場合もある。片方が勝ち過ぎると図に乗りその後の抵抗が激しくなり、結果的に犠牲者が増えてしまうからな、その時は国境軍を雪崩れ込ませる。」
天海
「もし雪崩れ込んだ場合、そのまま平定し交易が始まるのでしょうが、今の国内は各地で需要が激しく、特に食料品の国外輸出数量確保は緊急課題となってます。」
信長
「織田宗家大陸・南西諸島地区の穀物地帯で、名護米・名護芋・大麦・小麦・トウモロコシ等々の作付けを10倍にしろと通達したがどうなっておる?」
天海
「織田秀成・沖縄県知事号令の元で10倍を達成しましたが、イラン・イラク等、織田領土中東地区への輸出に100%出荷しています。
先日更なる追加の打診があり、前田慶次郎殿が台湾で収穫した穀物を提供してくれて、急場をしのげたのが現状。
知事より織田宗家へ、農地拡大要望書を提出したのが昨日です。」
信長
「そうか。。。済まぬ。。。
昨日までアゼルバイジャン・バクー地区の農地改革に勤しんでおった故、まだ要望書に目を通しておらぬ。今日中に確認しておく。
たった4年でここまで国土が増えてしまった。大日本皇国の民を飢えさせる事など絶体にあってはならぬ。
軍事面は余が先頭に立ち織田幕府軍に目を光らせておるが、食糧等の事業計画は織田宗家でしっかり管理してゆくぞ。
そう言えば信孝、福井県の石高を3割も増やしたそうだな。中々やるでは無いか。」
信孝
「はっ!幕府北陸方面大臣の信興叔父上様が某にも力を貸してくれております故。」
「うむ、信興は内政にも長けておるし北陸大臣、県知事の上司だ。しっかり手を携え素直に指示に従うのだぞ、励め!」
「はっ!」
「明日、余は織田宗家・黒海基地へ飛ぶ。御主等は全員、余の直系織田宗家の者達だ。留守中の日本国内しっかりと運営するように。
特に関白信忠は余の兄上、信広東京都知事と協議を密にするのだ。
他の皆も織田幕府、余の弟達と親密に話し合え。
緊急時には転移で戻るが、自分の国のためだぞ、励めよ!!」
一同
「「「はっ!ははーー」」」
ーーーーーーーーーーーー
ロシアツァーリ国とオスマン帝国。
史実でも熾烈な領土争いを続けてきた大国同士。どうなりますかな?
あっ!子供いっぱいw
また明日。
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