聖霊の守護王Ⅰ 竜の召喚者
翠川 あすか
あらすじ
ほぼ最新回(第10話)までのあらすじです。ネタバレ含みます。
赤い髪の人だけが暮らす赤の界の物語。
赤の界中央部にあるスオウミ王国の王女ヴェルメリナ(ヴェル)は不思議な夢をよく見る。夢の中には、赤の界にはいないはずの黒い髪や青い髪の人々が出てくるのだ。母は亡くなっているものの、双子の弟カイルと共に幸福に暮らしていたヴェル。だが、ある夜、スオウミは隣国のキルドランに攻め込まれ、ヴェルはカイルと共に王宮を脱出する。
キルドラン兵の執拗な追跡に、ヴェルたちを守っていた兵士は、皆死んでしまう。二人きりになったヴェルたちは、再びキルドラン兵に襲われ、カイルは深手を負ってしまう。ヴェルはカイルと共に小さな洞穴に隠れるが、追手はすぐ近くまで迫ってくる。絶体絶命の中、ヴェルは母のお守りを片手に必死で助けを求めて祈る。そこに現れたのは、真っ赤な鱗を持つ竜だった。
竜はヴェルを『召喚者』と呼び、自分には召喚者を守る義務があるという。安全な場所に連れて行ってと頼むヴェルを、竜はその背にのせ、上空に飛び立つ。竜がヴェルとカイルを連れて行った先は、赤の界の西端にある
自分がどこに連れて来られたのか良くわかっていないヴェルの前に聖竜の神山の
エシュリンは、ヴェルたちが神山に留まる間、用心のため、偽名を使うように勧める。
一時は命も危ぶまれていたカイルだったが、診療所で意識を取り戻す。見舞いに行ったヴェルとユズリハ。ユズリハを見てカイルは、『この人は母上の親友だった人だ。母上が誰よりも信頼して愛していた人だ』とヴェルに教える。
その言葉に、ヴェルは初めて心からユズリハを信頼できるようになった。
カイルも順調に回復し、実の母に対するように、ユズリハに甘えるヴェル。そんな彼女にカイルは注意する。『君は、神山におけるユズの立場をわかっていない』
カイルによれば、ユズリハは普通の国ならば、王位を狙えるような貴族の立場らしい。
さらに、カイルはヴェルに、聖竜の神山がどのような組織なのか説明する。いわゆる王はいないものの、大司を筆頭に、聖霊の力を持つ人々に支配されている国。
『私には関係ない』というヴェルに、彼は『僕には関係ない。でも、君には関係あるかも。なぜなら、君は母上に似て強い聖霊力を持っているから』と言う。
聖霊の力と魔法の区別がつかないヴェルは、ユズリハは魔法が使えると勘違いし、そのことを彼女に尋ねる。
ユズリハは、彼女が使えるのは魔法ではなく、聖霊の力だとヴェルに教える。聖霊の力には2種類あり、一つは癒しの力で、もう一つは夢見の力だという。さらに、ヴェルにも聖霊の力があると言う。
『それは、私が赤い竜を呼んだからですか?』と尋ねるヴェルに、ユズリハは、それだけでなく、聖霊の力を持っている人の背後は輝いて見えるのだと話す。さらに、ヴェルが持っている力は、夢見の力ではないだろうかと言う。
ユズリハによれば、ヴェルの見る不思議な夢も、実は聖霊が彼女に何かを伝えたいからではないかと。その何かを知るためには、太古の言葉など勉強しなければならないと言う。自分の夢も意味を知りたいとかねがね思っていたヴェルは、夢の勉強をしてみようと考える。
夢の勉強をしようと思うとヴェルがカイルに話すと、彼は賛成してくれる。さらに、現在の神山にある夢見の部では、ユズリハがヴェルに話してくれた意味での夢の探求ではなく、それを赤の界の国々に対する諜報に使っているのだと教えてくれる。悪だくみをしている国を見つけるために、夢見の部は、夢見の力を使って、諜報活動を行っているというのだ。(それならば、どうして、キルドランの悪だくみに気づかなかったのかしら?)と疑問に思うヴェル。
さらに彼女は、カイルには聖霊の力が無いことに気づく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます