第30話

部屋に入ると普段着に着替えてシャワーを浴びる。



酒を飲みながら、タバコを吸い始める。



冷蔵庫から缶ビールを出すとベルが鳴った。



玄関に行ってドアを開けると恵の姿があった。



「めぐみ。

どうしたの…??」



「ケン。

顔色が悪いよ。

ご飯食べてるの…??」



「今は、食べる気しないんだ。」



「そっか。

ご飯を作りに来たんだけど中に入っていい…??」



「ごめん。

今は、1人で居たいから…。。」



「じゃあスーパーで買い物して来たの置いて行くから作って食べてね。」



「ありがと。

でも、もう大丈夫だからね。」



「分かったよ。」



恵は、買い物をして来た物を手渡すと泣きながら帰っていった。



俺は、奈緒が亡くなった時と同じことをしていた。



そのことに漸く気付いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る