第22話
「それよりも聞ーてくださいよ~、ここのとこ合コン3連チャンで行ってるのに全然いい人いなくって、」
「…3連単?(競馬用語)」
「は?3連チャンですよ3連チャン!私より年収いい人全然いなくってー。」
3連チャン?平日から3連チャン??その原動力が
ちなみに競馬場の馬は1頭2頭と数えるのでなく、1着2着と数えるんだよ?
おいおい、私立大学職員の年収に敵う男なんて早々いないでしょ。企業でも役職以上はないと。
基本的に私立大学はお金があるけれど、うちの大学は特に正職員の給料がいい。
基本給は大企業と変わらないにしても、ボーナスがすこぶるいい。夏と冬と春の3回もらえるし、26歳なら年間約400万の手当があるのだ。規定書をこっそり読んだから間違いない。
でも派遣はバイト並みの給料。時給が少しはバイトよりもいいとはいえ、交通費が出ないから詰まるところ同じ。正職員とは天と地の差。
「……でも金本さんって、不死原君狙いじゃなかったの?」
「へ?…不死原君って、文学部3年生の不死原叶純くん??」
「うん。」
「あはは何言ってるんですか!まだ学生ですよ?!」
「…え?でもいつも不死原君が来ると嬉しそうじゃない?」
「嬉しいだけでそういう対象にはならないでしょ~!5個下ですよ5個下!」
たったの5歳差で?眼中にないと?…でもちゃっかりフルネームで覚えているところはさすがです。
「そもそも向こうは引く手あまたの若王子ですよ?私だってそれくらいは
そんな弁えているはずの女が、自分より年収の高い男を求めているのはなぜ?
その言葉は唐揚げと一緒に吞み込んだ。
じゃあ10個上の私は、全くの論外だと、そういうことなのね。
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