第45話

 自己増殖システムを敵艦隊に試しに攻撃を加えたところ、実体弾が当たれば自己増殖が開始されるため、マジで洒落にならん兵器となり、敵艦隊は散り散りに逃げた。


 使ってみた側も45000機に増えた無人機(触るな危険)をどうするべきかを大いに悩んだ末にメタトロンに取り扱いを丸投げするに至る。


 メタトロンはコレをアタナシアと命名し、メタトロンに攻撃してくる面倒な同盟に向かってエンジェルファックに載せて放った。


 結果は最悪なモノで、赤の連盟の拠点に艦隊なども含めた地域一体をスローターアームズが跋扈する世界に変えてしまう。


 その数100万機、そのまま待機していたが直ぐにタクティカルアーマーの制裁対象となる。


 先ず現れたのはアナコンダ、そして巨大な蜘蛛ブラックウィドウにジャガーだった。


 水の中からはカンディルと呼ばれるなんでも食べてしまう小型の魚型タクティカルアーマーが大挙して押し寄せ、アリゲーターなども襲って来た。


 メタトロンは実験の為に無人機を運用し、タクティカルアーマーに次々と攻撃を仕掛ける。


 アナコンダは一瞬でスローターアームズに食い尽くされて穴だらけとなり消滅、エネルギー捕食吸収システムを得て巨大な蜘蛛ブラックウィドウにも100万のスローターアームズが襲い掛かるが強力な『ナノ粒子分解毒』がスローターアームズを分解していく。


 分解されたスローターアームズを乗り越えて更にスローターアームズの攻撃は続き、毒の量がスローターアームズの量を下回った瞬間に巨大な蜘蛛ブラックウィドウもスローターアームズに姿を変え、『ナノ粒子分解毒システム』のデータを入手した。


 とんでもない兵器を創り出したもんだと冷や汗を流すラトナとホプキンス達だったが、上には上がいる事を知る。


 カンディル、ジャガー、アリゲーター、この3種のタクティカルアーマーは造りが少々特殊で有り、カンディルはスローターアームズを内側から食い尽くして逆に数を増やし、ジャガーは超スピードでスローターアームズを翻弄して次々とスローターアームズを捕食し、アリゲーターは硬い革で外殻が守られており、スローターアームズの攻撃を無力化した。


 最終的に生き残ったのはカンディルだった。


 タクティカルアーマー・ジャガーはスローターアームズの波に耐えられずに軍隊蟻の如く進むスローターアームズの群れに敗れ去り『超高速移動システム』を、タクティカルアーマー・アリゲーターも最終的にスローターアームズの波に飲まれて『超強化外骨格システム』を奪われスローターアームズの一部と化す。


 しかし、カンディルは凄まじい勢いでスローターアームズの内部を食い破り、それに対して凄まじい勢いで再生するスローターアームズを食い尽くしては新しい個体を生み出し、スローターアームズと泥沼の戦いを演じて数時間、最終的には100万のスローターアームズを呑み込み約100匹の個体が生き残ったカンディルに軍配は上がった。

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