第28話

 熱帯雨林地帯は第2ステージサバンナ地帯で生き残った者だけが進む事が許される地域であり、運命の日には、ほとんどの同盟はこちら側に進んだ。


 ラトナは危険が比較的に少ない砂漠地帯に進んだが、熱帯雨林地帯の良いところは無限に水が有り、多種多様な擬似生物が居る為、サバンナ地帯よりも物資の補給が余裕である事、しかしながら厄介なのは定期的に雨が降り、スローターギアが隠れやすいところにある。


 ラトナの超弩級巨大要塞艦や随行艦はアクティブステルスを使えるものの、光学パターン迷彩は雨により、意味を持たなくなってしまっていた。


 そして、多くの同盟には巨大要塞艦が多数有る為、ブルーマーカーやレッドマーカーが入り乱れて戦いを繰り広げる中、タクティカルアーマーも襲い掛かってくるカオスな世界である。


 この熱帯雨林地帯の入り口にはレッドマーカーの同盟が数多く集まっていたが、ラトナとホプキンスの艦隊にキラーアンツ部隊による木材の伐採により、待ちの優位性は薄れてガチンコ勝負をする羽目となる。


ピピッ、ピー、ピー[エンジェルアイズがレッドマーカーの信号を捉えました。熱帯雨林地帯の入り口にレッドマーカーの巨大浮遊要塞8、巨大浮遊艦52、中型浮遊艦127、小型浮遊艦395隻、待ち伏せのスローターギアが約1500です]

「ふ~ん、ノービス狩りかな?」


「うっわ、ウゼェー。ハイメ、メルルーサでの勝率は?」

[マスターホプキンス、相手が弱過ぎて勝負にもなりません]


 「まあ、熱帯雨林地帯のデータは取れるかな?」

[美味しい素材です。エンジェルアイズからキス・マーアスの使用許可申請有り]


「オッケー、やっちゃって。リクローはスキュラ改で狙撃、周囲はキラーアンツ3500機で防衛しつつ、シルフィードとキットゥールーで敵の旗艦を潰すよ」

「了解、鴨がネギ背負って来やがったな。キットゥールー出るぜ!ハイメ、オートモードのスローターギア600をメルルーサの甲板に並べてくれ、キラーアンツ2500機は周りの木を切り倒してバイオプラントへ」


[了解しましたラトナ]

[こちらも了解です。マスターホプキンス]


 タクティカルギアのキラーアンツが増えた要因は馬鹿なレッドマーカーが多かった事に由来する。


 他の同盟ではエンジェルアイズのような高高度浮遊要塞は持っておらずデータは二次元で有る。


 しかし、エンジェルアイズはスパイ衛星の如く上空5000メートルまで浮上してフィールド全体を見回して必要な情報を高精度の3次元で提供するのである。


 こうなるとレッドマーカーの待ち伏せは全く意味が無く、EMP攻撃でまとめて始末され、3キロメートル級の超弩級浮遊要塞艦を更に大きくしてくれる良い餌となった。


 エンジェルアイズからのキス・マーアスは敵の巨大浮遊要塞を中心とした艦隊を無力化し、地上からは木材を切り倒し、水を大量に得たキラーアンツ改が前線でのスローターギアとの戦いと超弩級浮遊要塞艦に資源を補給を同時に行いつつ前へ前へと進む。

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