第26話

「それで、レッドマーカーは何処に居るのリクロー」

[ラトナ、レッドマーカー達は合流するようですね。近くのブルーマーカー艦隊を狙うようです]


「お?こりゃー、ジョンソンのヤツも居る艦隊じゃねぇかラトナ」

「ああ、あの役立たずは熱帯雨林地帯に行かないで、まだサバンナ地帯に居たのね」


ピピッ、ピー、ピー[ラトナ、レッドマーカーの艦隊が4つに増えました。ジョンソンの艦隊の約3倍の規模です]

「で?」


「おいおい、そこまで厳しくしなくても良いだろ?なあ。ちょっと3分の2位を俺達が食ってもありがたがるぜラトナ?」

「別に、助けないって事じゃないわよ?なんか、助けに来てやった感が有って嫌なだけね」


「よし、ほんじゃハイメちゃん、何処から行くよ?」

[マスターホプキンスのキットゥールーは超遠距離攻撃型ですので北から来る艦隊と東側からの艦隊狙いで如何でしょうか?]

「リクロー、私は南の大っきい艦隊貰おっか」

[それは良いですね。ジョンソンも馬鹿ではないと思いますので西の小さな艦隊を相手にするはずです]


 ブリーフィングが終わった二人はそれぞれ艦隊を分け、ホプキンスが現在地のレッドマーカーの東側から進路を進み、北に向かうコースを選び、ラトナは真っ直ぐ北上してレッドマーカー艦隊の南の一角に突撃する。


 ラトナの旧専用機スキュラは支援用のタクティカルギアに姿を変え、3500機のキラーアンツの指揮を執る。


 ホプキンスにはパーソナルデータを元に作成されたルーチンを持つ上位ランカー達のスローターギアが魔改造されて450機がレッドマーカーの東の一角の食らいついた。


 戦闘が開始されたのはホプキンス艦隊が先であり、センサーや目視上では何も無い場所からの対艦ホーミングレーザーの雨で一瞬で東側の艦隊の半分、約20隻の艦が沈み、残った艦はホバリングする亀のような巨大タクティカルギアのキットゥールーのハリネズミのようなレールキャノンやホーミングレーザーの餌食となる。


 次の敵に向かう前にセミオートの450機のランカー機が先行し、ホプキンスはちゃっかりと敵艦隊から獲られる物は全て奪い、痕跡も残さずナノマシンで全てを喰らい尽くす。


 ホプキンスが東の艦隊を撃ち破り北にランカー機を送り込んで鹵獲した資材を組み合わせて超弩級要塞艦を造っている頃、南のレッドマーカー艦隊はもっと悲惨だった。


 6枚羽の超高速飛行タクティカルギア・シルフィードに高高度から艦橋を次々と狙撃され、足元からは無数のキラーアンツ達が次々と襲い掛かる。


 そこに一切の慈悲は無く、何とか出撃出来たスローターギアも、徹底して魔改造タクティカルギア化したラトナのパーソナルデータが移植されたスキュラ改の精密スナイプでコクピットを直撃された。


 その間、馬鹿なジョンソン艦隊は西の敵からも逃げると最初は東に逃げてから、次に南東へと進路をとる。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る