第26話 幕間

 私は帝国へ行く迄、癒し効果のある、雑草の改良に没頭してた。

 ミラ伯母様の発明した毛生え薬と、美肌効果のあるポーション、それから筋肉増強剤は完成したよ。

 あれから様々な実験をした結果、筋肉増強剤だけは、医術師監修の下で使って貰う必要があった。

 うちの騎士団連中で試したんだけど、元からある筋肉には効果が薄い事が判明したの。

 他は美容目的なので、宣伝効果がありそうな目玉を実験台にしてたっけ、お妃様が食いついて来たからビックリ。

 それを知った王妃様までが実験台に志願して来て、結局王族が皆で使ってくれたお陰で、爆発的に広まった。

 美肌効果はね、元から美しい人には意味なさそうだったんだけど、お化粧のノリが良くなったらしい。

 ノリってなんだろ?

 あと毛生え薬に関しては、キューティクル艶々効果が出るから、男性陣よりご婦人たちに商品を独占されちゃってる(笑)

 そんなこんなで当初の目的であった上級ポーションは、私が上級薬術師の免許を持った事で、無事お爺様の領地へ出荷出来るようになった。

 王都にも、少しだけど出してるよ。

 薬草が少ないから、大量生産は出来ないのだ。

 質を落としちゃったら、今度はポーションが粗悪品になっちゃうからね。

 開拓出来てない土地が結構あって、お父様も薬草畑を広げられたらって、呟いてたけど…

 人が少なくて、そこで働く人材を確保出来てないの。

 何か良い方法って無いのかな?

 今後の課題だね。

 そうそう!

 帝国留学が決まってからね、目玉がダンジョン攻略本を貸してくれたの。

 ダンジョンには、この国で見た事の無い生き物が、沢山生息してるんだって。

 画像だと、二足歩行だったり武器を持ってたりと、人間みたいな姿してる。

 凄いよね~

 会話が出来るなら、家で働かないか交渉してみるのも、いいかもしんない。

 お互い信頼出来て、一緒に生活出来る労働者がいれば、生産性が上がるしポーション沢山作れるようになるもんね。

 信頼は大事よ!

 魔物の脅威だけでも面倒臭いのに、隣人が信用出来なかったらやってらんないのよ、この領地では…


 そろそろ日程が近付いて来たし、留学の支度金でも稼ぎに行くか~

 南の領地では、虹色に輝く鉱石が採れるんだって。

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