第6話
ハンバーガー店はかなりの売上となり、わずか5日で店舗の購入費用に到達した。
ルークはこれをマルクに報告する。
「父様、ハンバーガー店の純利益が既に店舗購入費と同額になりました。」
「ん?なんだと!?かなり好調だと聞いてはいたがまさかこんな短期間で…」
マルクはかなり驚く。
「どうやらルークは先見の明がある様だ。…ところでルーク、私になにか話があるんじゃないか?」
マルクの方からルークに聞いてくる。
どうやらルークの心の内が読まれている。
「はい、父様との約束を既に達成しました。他の事業に移るために空き店舗の購入許可をください。」
「やはりそう来るよな…まぁ、約束したことだ。空き店舗の購入を許可する。」
「父様、ありがとうございます!」
こうしてルークはマルクから認められ、本格的にナート男爵領活性化に動き出すことが出来るようになった。
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「マカドゥ、父様の許可が出た。元酒場の店舗を購入しよう。」
「許可が出たのですね!承知しました。すぐに所有者から購入してまいります。」
ルークはすぐに動き出していた。
元酒場は大通りの最も人通りが多いところに所在する。多いと言っても大通りの中での話だ。
ルークはこの元酒場をカフェに作り替える構想を既に考えていた。
元酒場ということもあり、カウンターがある。その為カフェに作りかえるのもあまり手間がかからない。
数時間経って、マカドゥが戻ってきた。
「ルーク様、無事物件を押さえました!鍵も受け取ったので今からでも中に入り、作業ができます!」
「そうか、よかったよ。じゃあ少し中を見に行こうかな。」
「承知しました。では急いで馬車を準備します。」
マカドゥはそういうと急いで馬車を屋敷の玄関につけ、ルークは元酒場へと向かった。
元酒場の建物は二階建てである。木造づくりのかなりいい雰囲気の建物だ。
中に観葉植物やカフェらしい内装に整えればすぐにでも使える状態である。
「マカドゥ、かなりいいよ。ここ。」
「そうですね。ここでどんな新しいことが始まるのか今から楽しみです!」
マカドゥは笑顔で言う。
そしてルークは前回同様にマカドゥに必要なものを揃えるように指示を出す。
「マカドゥ、建物自体は内装を整えるだけだから飾ったらオシャレな植物や新しいテーブル、イスなどこのメモに書いてあるものを揃えて欲しい。」
「ルーク様、承知しました。すぐに手配致します。」
「あと、マカドゥ。もうひとつ探して欲しいものがあるんだ。」
「はい、それはなんでしょう??」
マカドゥは不思議そうに尋ねる。
「それは木の実なんだけど、乾燥させて、粉末状にし、お湯で溶かすと黒い飲み物になるんだ。」
ルークが言いたいのはコーヒーである。
しかしこの世界にはまだコーヒー文化、飲み物として存在していない。
そしてルークはコーヒー豆のイラストを書いてマカドゥに渡した。
「コレを探して欲しいんだ。」
「なんですか?なかなか枝毛で特定するのは難しいので時間がかかりますが…」
「構わないよ!とりあえず似ているものがあればどんどん集めて欲しいんだ。」
ルークはとても真剣な顔でマカドゥに話す。
「承知しました。とりあえず探してみます。一旦、明日から他領の市場を訪ねてみたいと思います。10日ほど時間をください。」
「うん、わかった!頼むね!」
そういうとマカドゥはコーヒー探しに出ていった。
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