第5話 核心
しかし、事件の核心にあるのは、エミリーではなくルイスの行動だった。殺人後、ルイスは被害者の体を片付け、事件の証拠を巧妙に隠滅していた。アンドロイドには本来、隠蔽行動など必要ないが、その行為は明らかに意図的だった。しかし、それがエミリーを感情的に守ろうとした思いからなのか、それともロボット的なアルゴリズムに基づいて「主人の家族を守る」という命令を忠実に実行した結果だったのかは、誰にもわからなかった。
警察は、この証拠隠滅を動機に、ルイスを容疑者とした。しかし、アリスは納得できなかった。ルイスが人間のようにエミリーに寄り添い、彼女を守りたいと思っての行動だったのか、それともただのプログラムによる反応だったのか。証拠はすべてルイスを指し示していたが、どこかに不自然さが残っていた。
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