1000年後の世界

1000年の時を得てフェンネルが目を覚ました。

「ん、ここは?」

フェンネルは見覚えのない森の中にいた。

「1000年意外に早かったな」

フェンネルは状況を理解するのにそこまで時間はかからなかった。

「さてと、これはできないと不安だなぁ~」

フェンネルは手のひらを出し魔力の確認をした。

手のひらには白い光が出ており自在に操れるようだ。

「流石1000年。魔力は完全に回復してる。」

体にも異常がないフェンネルは移動しようとした。

その時、何かが動く気配がした。

「誰だ?」

警戒していると影から巨大な蜘蛛が現れた。

「スパイダーキングか、久しぶりの運動にはちょうどいいか。」

スパイダーキングはフェンネルに向かって突進してきた。

「なんで蜘蛛なのに突進するんだよ、」

フェンネルは魔力を体にあて身体強化した。

蜘蛛の頭を軽く小突いただけなのに蜘蛛は100M異常吹っ飛んでいった。

「なんかごめんね蜘蛛さん。」

フェンネルは気まずそうにしていた。

「目標は勇者の塔か。」

彼女との再開もあるしな。

さっさと行くとするか。

フェンネルは森を抜けていった。



「スパイダーキングの討伐地はここらへんかな」

ギルドの依頼をこなすために来た冒険者はスパイダーキングを探していた。

スパイダーキングは強敵だから慎重にいかないとな

そうすると直進100M以上なぎ倒された木を見た冒険者は慎重に辿っていった。

「何だこれは、」

意味がわからない。

折れた気木の先には頭が潰れている蜘蛛を見つけた。

これは誰がやったんだ?

「とりあえずギルドマスターに報告しとくか。」

冒険者は街に戻った。



森を抜けるとなんとなく見覚えのあるところと見覚えなないところが混ざってるようだ。

勇者の塔の道はここから近かったよな。

フェンネルは1000年前の勇者の塔に向かった。



「ここであってるよな?」

フェンネルが見ているのは1000年前に見た勇者の塔の影はなくおぞましい雰囲気に包まれた塔を見上げた。

これじゃぁ魔王の居場所みたいじゃないか。

そうすると一人の銀髪の女の子が姿を表した。

「そこはやめといたほうがいい。門をくぐった瞬間に殺される。」

そう忠告してきた女の子は塔の上を見上げていた。

「ここは勇者の塔じゃないのか?」

フェンネルは最後の希望を持って質問した。

これが違っていたらと...考えたくもない

「それは1000年前の話、今は魔王が支配している。」

その言葉を理解するのに時間がかかった。

いや理解はしたのかもしれない。

ただ受け入れたくない事実が頭の中をよぎっている

「1000年前にここにいる女の子のことは知っているのか?」

今は彼女がどうなっているのかが重要ということに気づいた。

「その女の子は魔王の玉座の隠し通路に封印されているはず。」

そうとなったら今すぐ行くしかない。

そう思い門をくぐろうとしたとき。

「あなたが誰がわからないけどやめといたほうがいい。1000年前の魔王が一瞬で敗れた。」

その言葉を聞いて足を止めた。

「1000年前の魔王は相当強かったはずだぞ、一瞬で敗れるなんて。」

フェンネルがそう思った理由は一度魔王と戦ったことがあるからだ。

互角の戦いだったのにその魔王が一瞬で敗れるということは、今のフェンネルでは無理だと悟ったのだ。

「一度私の街に来て見ればいいんじゃない?私の街は魔王に関しての情報が他の街に比べてあるから。」

フェンネルはここで魔王の塔に行っても無駄だと思いついていこうと決心した。

「わかった。君についていくよ。」

女の子は頷いた。

「私の名前はレイ・シュミード」

フェンネルは笑顔で

「俺の名前はフェンネル・アイス。よろしくなレイ!」

二人はレイの街、ビットコールに向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

彼女を助けるために、俺は魔王になる。 トラ @Torakinn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画