第49話

ドアに手を掛けたところで「あ」と立ち止まって振り返る。



「その【功太】のことは好き、なの?」



麗のロッカーを閉める手が一瞬止まる。



しかしすぐ、



「うん。」



真顔で答える麗に、そっか、と笑顔でため息をつくと、美緒はロッカールームを出た。



追って麗もロッカールームを出る。



―麗はきっと、その『好き』がどっちか気づいてないんだろうな…



美緒は後ろから駆け寄ってくる麗を見ながら思っていた。

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