第47話

「それで?」



「こないだ水族館行って、夜まで海見て帰ってきた」



「夜まで?…何もされなかったの?」



美緒の言葉に功太に抱き寄せられた感覚を思い出す。



あの日、15分くらいそうした後『本当に風邪をひくといけないから』と、優しく微笑んだ功太が麗の手を取って立ち上がらせ、また手を繋いで帰路についた。



功太は麗をアパートまで送り届けて、家に帰った。



美緒には過去のことも何でも話せたが、功太のことになるとなんとなく歯切れが悪くなる。



「手、繋いだ」



少し悩んで、麗はそこだけをかいつまんで報告した。

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