第3話

白いワンピースが背景の海の青にくっきりと浮き出て、まるでそこだけが涼しげな風を纏っているようだった。



肩からトートバッグを提げ、頭には大きな麦藁帽子。



絵画のモデルのような格好だが、この辺りではよく見かける光景だ。



肩ほどに伸びた栗色の髪に風が通り抜けるとキラキラとしなやかに艶めいて、少女の白い肌の上で舞い踊る。



黒目がちで凛とした瞳が印象的な彼女の名は、高宮 麗(たかみやれい)。



名前から想像する通り美しい少女だった。

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