第23話
「どうにも、って…」
「手で首を絞められているのに指紋もない、争った形跡もない。証拠もなにも無い。それで上はこのヤマを捨てた」
「そんな簡単に捨てるはずないだろ…」
「上が手を離したのにはもう1つ理由がある」
眉ひとつ動かさず淡々と話す環に思わず三瀧は怯む。
「被害者の彼氏が警察に助けを求めてきたそうだ。次は自分が殺されるって。…どうやらその男は被害者と浮気してたらしい。で、その男の本当の彼女に殺される、と。」
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