第53話 爽の決意
爽が停車させたバス停は静かなところだった。田舎というわけではないけれど、あまり人は見当たらない。
まあ、時間的にも仕方ないかも。
「萌が言いたいことはわかる。…俺も紫陽花は好きだから」
「…うん」
「でも今は俺が出る時じゃないんだよ。あいつらを成長させないと。…じゃないと俺はあのグループを抜けられない」
「………」
「…ね?だから俺は今は前といる。心配いらないよ」
「…勝手に色々言って、ごめんっ」
「いいよ。俺が言葉足らずなのが悪いし…それに,萌が紫陽花をそんなに好きなんだって再実感させてもらえた。ありがとう」
「わ、私こそ…ありがとう」
「どっかでお昼食べよっか」
「うんっ」
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