第21話

ーーーーー


少し話して帰ってきた爽はいつも通りの爽だった。



「なに話してたの?」


「釘刺しておいただけ」


「ふーん?」


「帰ろ?」


「うん、帰ろ」



なにか思い当たることがあるような、深い意味を持ちながら話す爽は少し怖さがあるけれど、特に触れずに行こう。



「紫陽花、元気?」


「多分ね。俺はそうそう行かないから」


「行かなくていいの?総長さんなのに」


「別にいいんだよ。あいつらだけで十分。相当なことがない限り俺は行かないよ。…それに意外と俺がいると緊張?するらしいよ。永井(なかい)が言ってた」


「…それもあるかもね」


「ね。だからいいの。ほら行こ」



爽に上手く丸め込まれてしまったので紫陽花の話は終わってしまった。

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