第49話

「普通、いじめた子に助けなんて求めないでしょ、あはっ。頭おかしいんじゃないの?」


「お、小野寺くん…」


「なに?」


「ご、ごめんなさい。ゆ、許して…」


「無理。あ、ゆず先輩帰りましょう?」


「えっ?」


「今の状況説明したら帰ってこいってうるさいから」


「そ,そうなの?」


「うん、だから行こう?」


「うん…」



また有無を言わせない言動。まぁ、別にいいのだけれど。


そして私は鞄に荷物を詰めて席を立った。



「ま、待ってっ、ゆずちゃん!お願い…」


「‥いい加減にして。ゆずのこと困らせないでよ」


「っ…!」



夏帆ちゃんたちは彼の気迫には勝てない。もちろん私も勝てない。



「行こ。車もういるし」


「…うん」



私は逃げるようにその場から立ち去った。

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