溺れたい 数年ぶりに 触れる手に 短き逢瀬 余すことなく


溺れたい

数年ぶりに触れる手に

短き逢瀬

余すことなく



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会いたいと

叶わぬ望み口にして

必ずいつかと

いつもの返事


私だけ?

張り裂けそうなこの気持ち

互いに想う

そう信じたい


時重ね

諦めに似た望みでも

叶わぬからこそ積もり続けて


会いたいと

叶わぬ望みに

会えるよと

望んだ返事が夢に思えて


待ち遠しい

無限に思えたその時が

いざ近づけば怖く思えて


早くと望み

遅くと望む

叶うことの無い願いだとしても


会えぬ時

想いは単純ただ一つ

なのに会えたら

感情の坩堝るつぼ


触れた手と掛けられた声

それだけで飛び越えてしまう

無限の時を


会えたなら

襲いくるのは焦りと怖さ

聞こえてくるの

終わりの足音


忘れたくて

ただ愛しさで塗りつぶされて

あなただけ

あなただけをと


悦びに

ただ沈んでく

溺れてく

伸ばしたこの手

握りしめられて


離さないでと望むけど

掬い上げてと望まない

ただこのままで


代償は悦びと共に訪れる

愛しさ切なさ残る温もり


唇が触れた場所から冷えていく

内側で爆ぜる熱に反して


抱きしめる

この感情を身体ごと

終わらぬように

忘れぬように

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