第3話トイレ行きたい。

「…ということなんだよ。おかげで自転車はひしゃげてボロボロ。体も皆勤賞も傷だらけ。挙げ句の果てには辺なあだ名つけられる。可哀想だと思わないか?」

前回までの顛末を聞いた友人・内海は口を開けていた。いや、開いた口が塞がらなかった。そして、恐怖を振り払う様に叫んだ。


「呪いじゃん、それッ!!!!」

「それってそういうもんなの?へーこわ。トイレ行きたい。」

「軽いわ!」

「だから、内海さ。協力してくれへん?」


転石は内海と肩を組んで、内側の足をビニール紐で結び、二人三脚で歩いている。

「おぉ、安心感が二倍だぁ…!これで何かあったら、責任は半分だね!」

「気持ち悪いヨォ…。」


結論から言うと、二人三脚意味はほぼなかった。


「おい、もうちょっと速く歩けねぇのかよ…!」

「ちょっと、ペースが速いって!」

だんだんと足並みが揃わなくなり、転石は内海の足につまずく。

「あ、ご」

内海が謝り終わる前に、転石は既に、距離2m高さ1m吹っ飛んでいた。ビニール紐はちぎれていた。

「めんんんんんッ!?」

彼の着地点の先には女子が。

「危ないッ!」


女子は内海の叫び声に気付き、すぐに振り返ったが、時既に遅し。

二人はぶつかり、あられないの光景が出来上がってしまった。


女子が転石を押し倒した形になり、彼女の左手には、彼の右胸に触れていた。

「キャー!ハレンチーーッ!」

転石は甲高い裏声で叫びながら、トイレに逃げてて行った。

「逆だろ普通!」

内海はなぜか悔しそうだった。


トイレは間に合った。

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