第17話 妹とのバトル
「実はあのね…。
今ね、バツイチ独身同士で、
お付き合いしている人がいるの。」
って凛ちゃんに言われて…。
正直、宇宙は想像以上の衝撃を受けていた。
宇宙は、凛ちゃんの熱弁を聞いていて。
両方の自分の本音が入り混じり
感情が混乱していたのだった。
まず、一人の男性として、
「えっ?そんなに早く次が見つかるの?」
てか、僕は、2~3年内ぐらいに、
見つけられたらいいなぁ~ぐらいの…。
意味合いで言ったつもりだったのに…。
凛ちゃんって、そこまで行動力があって、
凄まじい女性だったんだ…。
知らなかった…。
もう一つは、僕の気持ちをここまで理解して、
前向きに受け止めて、実行している凛ちゃんを
改めてリスペクトしている自分が居た。
どちらかというと…一人の男性としての
衝撃の方が強かったのだ。
凛子:「宇宙~どうした?大丈夫?」
宇宙:「ごめんごめん…。」
「あまりにもびっくりしちゃって…。」
凛子:「そうだよね。びっくりするよね…。」
「でも、宇宙には伝えておきたかったんだ。」
宇宙:「ごめん…今日はもう帰るね。」
「また連絡するね。」
宇宙は、帰って行ったのだった。
凛子は、宇宙の事が心配にはなったが、
宇宙には今の素直な自分の気持ちをいつも
真っすぐに正直に伝えたいと
思っていたので、後悔はなかった。
少し…宇宙に考える時間をあげよう…。
そう思ったのだった。
それから一か月が経った…。
凛子が仕事が終わって家に帰ったら、
また妹と母が大喧嘩していた。
どちらもヒステリックの感情動物同士なので、
下品な低次元言葉のなぶり合いをしていた。
甥っ子が凛子の傍に寄って来て、
こう言ったのだった。
甥っ子:「凛ちゃん~。僕が生活支援センターから
帰って来るまでに、
ママが居なかったいいなぁ…。」
凛子:「ほんとだね。毎日…
こんな生活はもう、うんざりだよね…。
何とかしなきゃね…。」
甥っ子は月曜日から木曜日までは、
生活支援センターに、学校の登下校後、
いつもお泊りしているのだった。
なので、金曜日には帰って来る。
凛子はどうしたらいいのか?
仕事の合間も、何かをしている間も、
一生懸命に考えたのだった。
仕事を終えて帰ろうかと思ってる時に、
妹から電話があった。
妹:「お姉ちゃん、まだ仕事なの?」
「何時に帰って来るの?」
凛子:「まだ残業で、仕事だから、
帰りは分からない。」
凛子は妹に嘘をついたのだった。
―いつまで私は、こんな生活を送り続けないと
いけないんだろうか?―
今夜は、太陽とデートの日で、楽しんだ後…。
凛子の家でお茶しようと…招待したのだった。
太陽は、凛子の妹に会ったのは、
今日で2回目だった。
凛子は太陽には家の事をなんでも素直に
最初っから伝えているので、
今現在、凛子が大きな悩みを抱えている事も
知ってくれてはいた。
妹は私の家に住んで居るので、
太陽が来た時も同じ空間に居て
何食わぬ顔で、
太陽とも普通に話している妹…。
凛子の中で…なんだか…無性に、
イラついてきたのだ。
そう思った瞬間にはもう凛子は、
爆発していた。
いきなりの姉の豹変ぶりに妹も、
何が起きたのか?分からない感じだった。
太陽も体格の良い大人の女性同士が、
目の前で、まるで女子プロレスでも
始まったのか?の勢いで、
白熱の「口論バトル」をしている。
妹の方は、手が早いと聞いているので、
太陽は、気が気ではなかった。
凛子はそんな事すらまるで、
気にも留めてないかのように、
マイペースに的確にはっきりした口調で
ガッツリと伝えている。
妹の顔が、人間でない様な人相に
変わり始めた…。
太陽は、魔物か何かなのかと思った。
今にも凛子の首根っこを捕まえて
平手打ちでもしそうな勢いだ。
太陽の人生でかつて、ここまでの女性同士の
いがみ合い、口論は見た事は、なかったと思う。
そんな瞑想にふけている場合ではない…。
これは「やらせの女子プロレス」ではないのだ。
正真正銘、本気の「喧嘩」なのだ。
どうしたらいいのだろう?
俺に何ができる?
妹:「お姉ちゃんに私の病気やら、気持ち等
分かるわけないわ!!」
凛子:「あなたこそ、こうやって人に迷惑かけて
したい放題して、それを毎回、受け止めている側の
気持ちをわからないだろうが!!」
妹が凛子を下から舐めるように、にらみつけて
来ている。
もう人間とは思えない般若のような形相に
変貌してた。
妹:「このくそ、悪魔姉め!!」と叫んだ。
このやろう!!っと妹が、凛子を、
殴ろうとしたその時に…太陽が寸止めで
止めたのだった。
凛子:「お姉ちゃんは、妹ちゃんが幸せに成る事を
本気で願っている。」
「そんだけ私に、はむかって来れる
エネルギーがあるんなら!!
その根性を、わたしに見せてみなさい!!」
太陽は、「凛子、そのくらいにしておけ!!」
と決死に叫んだのだった。
妹は、「ふん!」って顔をして、別室に行って
しまった。
太陽は、「ほんと!テレビで、
見る女子プロレスよりも
怖かったわ~。」と、ぼやいていた。
なんか今夜はもう疲れたから、帰るね。と
言って太陽は帰って行ったのだった。
凛子は車の所まで行って、
「太陽、今日はありがとう。」と
お礼を言った。
太陽は、「ゆっくり眠るんよ。」と
やさしく言ってくれた。
でも、どことなく、疲労感を感じられた。
凛子自身…
何がきっかけで、妹に自分の方から
「喧嘩」を売ったのか?
後で考えて見ても…
凛子には分からなかった…。
ただ、凛子の中で、
もう本当の意味での限界が、
来ていたからこそ…。
あのような事態を、
湧き起こしたんだと思う。
そして、太陽が傍に居てくれたから
仕掛ける事が出来たと思った。
次の日の朝、また案の定…。
毒母と口論を妹がしている。
普段なら、まだ凛子の出勤前には
起きていないのに…。
珍しく妹が早く起きているのだ。
凛子は仕事なので、
2人の口論を後に、出かけて行った。
お昼の休憩に、毒母から電話があった。
毒母:「あれから大変だったんだけど…。
妹ちゃん出て行ったのよ。」
凛子:「そうなの?また帰って詳細は聞くね。」
と言って電話を切った。
凛子が出勤した後…何があったんだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます