第15話 タイヨウさんは不思議な人

凛子もタイヨウさんとは、会っておしゃべりしたかったので、『ぜひ、宜しくお願いします。』って返答をしたのだった。


タイヨウさんは、クローバーさんが、お話を聞いて欲しい感じを受けるので、

クローバーさんがリラックス出来る所に、ぜひ行きましょうと言ってくれた。


凛子は、なぜ?タイヨウさんは、私が、話を聞いて欲しい人だと思ったのだろうか?

とても不思議だった。



凛子は海が好きなので、海が見える所がいいなぁ〜っと伝えたのだった。



ー凛子が海を好きになったのは、宇宙と初めて行った海での時間がとても楽しく幸せだったからなのはある。ー



タイヨウさんと、初顔合わせの日が来た。ネット出逢いなので、一般的には、会う前に写真交換をするのだが、タイヨウさんは、俺が会いたいと思った人なので、写真交換は必要ないです。と言われたのだった。



凛子の目の前に現れたタイヨウさんは、メール、電話の時のイメージと大差なく、想像通りの人だった。



何より驚いたのは、メールがタイヨウさんから送られた来た時に、一瞬、いつもたまご色の背景が描写されるのであった。



その色と同じオーラをタイヨウさんに感じたのだった。

あまり凛子は霊感とかがないので、人にオーラの色を感じた事は無かったのだ。



ーたまご色…。

そう言えば、宇宙とよく食べていた『たまごパン』の色と同じだわ…。ー



ー色んな事が、シンクロするし、なんか…不思議な人だなぁー



お互いに『はじめまして』と挨拶をし合った。

その時、タイヨウさんが笑顔で話してくれ、その笑顔を感じて、自然に出てくる凛子の笑顔をタイヨウさんに、向けたのだった。


凛子はビックリしてしまった。


何に驚いたかと言うと…。

凛子がタイヨウさんに向けた笑顔は今まで、凛子の中では感じた事のない自分の笑顔だったからだ。



ータイヨウさんは、本当に不思議な人だわー



その後、タイヨウさんの車に乗って、タイヨウさんのオススメの海を見に行ったのだった。



ーそう言えば…

宇宙は、今頃…

どうしているんだろ?

凛子は1日に最低1回は、宇宙に心の中で話しかけるのだった。ー



しかし…タイヨウさんって、本当…今まで全く知らなかった人とは思えないぐらい…。

自然な凛子で、気楽に居られる。



タイヨウさんが、凛子に話しかけてきた。


タイヨウ:『クローバーさんとは初めて会ったんだけど…

どこかで…出会った事があったり、本当にすれ違た事がないのかな?って思うぐらいに、最初っから近い感じで、変に距離感を考えなくていいんだよね。』


『俺の知り合いか、何かと…繋がってる気がして、ならないんだよね。』


凛子:『そうなんだね。

私の誰かとタイヨウさんの誰かが繫がっている事があるのかもね〜。』と凛子は答えたのだった。



タイヨウさんも…

凛子と似た感覚を感じているんだなぁ〜って思った。



凛子はドライブ中に、今まで溜めに溜めまくっていた気持ちをガンガン…笑い飛ばしながら、白熱しながら…

語りまくったのだった。



タイヨウさんは、かなり重たい話なのに、嫌な顔ひとつせずに…

凛子と一緒になって、ボヤいてくれたり、笑い転げてくれたりしたのだった。


凛子自身も…重たい愚痴を言ってる自覚もどんどん薄れてきて…毒舌漫才みたいに…ダークネタを、笑えるような話しぶりで話していたのだった。



そして、一番驚いたのが…。


タイヨウ:『クローバーさんって面白い人ですね〜。』の

一言だった。



凛子は今まで生きてきて…家族からは『教師みたい』と言われ…友達からは…『保護者みたい』って言われたり…。

どちらかと言うと…説教臭い…。本気(ガチ)過ぎって…言われたりしていたのだ。



子供の頃は、同級生に…

凛ちゃんは、『面白くないわ』っと言われた事もある。



その凛子に、タイヨウさんだけは、『面白いひと』だと思ってくれている。



確かに、さっきから…涙を流しながら…タイヨウさんは爆笑している。

言ってる事は嘘ではないと…思ったのだった。



なんとも…タイヨウさんは、凛子にとって…

『不思議な人』であった。



タイヨウさんは、帰り間際に、名刺をくれた。


名刺の名前は、『森川 太陽』と書いてあった。

本名がハンドルネームだったんだ…。


ほんとに、なんかタイヨウさんって、ギャップがあまりにもない人だなぁ〜って

思ったのだった。


タイヨウさんは、凛子に、お名前を伺ってもいいですか?と聞いてきたので、


凛子:『山川 凛子』といいます。と答えたのだった。


タイヨウ:『わぁ〜同じ、川が苗字についてますね』と言った。


タイヨウ:『凛子』と呼んでもいいですか?


凛子:『はい、凛子でいいです。では、私も太陽と呼んでいいですか?』


太陽は、内心正直…驚いたのだった。今まで年下の人に、それも女性から、呼び捨てされた事はなかったからだ。


だけど、なぜか?

凛子には、そこまで…嫌な感じは受けなかったのだ。


なんか…今まで見た事もない人間で、太陽は『面白い女性だな』と心の中で、ワクワクしたのだった。



凛子もまた、ネットと言う世界で、どこの人かも全く知らない同士なのに…。


出逢って1週間で、もう直接会って、違和感なしで、無条件に楽しかったと心底思える相手だなんて。


とにかく…

『不思議だった』



凛子と太陽は、それからも色んな所に出かけたりして、ふたりの仲を育んで行ったのだった。



太陽と出逢って、3ヶ月が経とうとした時…。


太陽が凛子に、『凛子らしく生きられる手伝いをさせて欲しい』と言ってくれた。


実は、凛子は離婚後…

『自分らしく生きるとは、どういう事なのか?から考えて行きたいと思っていたのだ』



その話を、太陽にもした事が、あったのだ。

太陽は、その話を覚えていてくれたようだった。



凛子は、太陽に、『はい。ぜひ…凛子らしく生きるお手伝いをお願いします。』と答えたのだった。



凛子は、宇宙に久しぶりにlineを送ったのだった。


凛子:『宇宙〜お元気ですか?よかったら、久しぶりに会いませんか?』



宇宙は、凛ちゃんからのlineが来て、驚いたのだった。


宇宙:『うん、今度の日曜日、僕らの秘密基地で会おう。』


凛子:『了解』



宇宙は、なんだか…

胸騒ぎがしたのだった…。



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