第2話 片手にハンカチを

大きな木の下に一つの石碑がある。そこには人の名前であろう文字がまばらに刻まれていた。

 「久しぶりです。皆さん。」

私はそっと花束を置いて手を合わせる。

「それにしても…」

顔を上げて周りを見渡す。

このあたりだけは全く雑草が生えていない。

すると知っている声が聞こえた。

「やっぱりここは植物が生えてなかったか。」

大きなシルエットが近づいてきた。

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