第302話 お肉どものタレコミでパワード発見!?

 色々情報を探った後、夜までは待機ということになった。

 夕方にチェックインし、ここでまたぎちゃんとはお別れ。


「夜も協力したいところなんですけど、実家にいると門限があって……」


「年頃の女の子だもんねえ。今日はありがとー!」


「どういたしましてー!」


 ってことで、ちょっとかがんでくれたまたぎちゃんと、ハイタッチしてお別れなのだ。

 彼女の車が見えなくなった所で、スパイスからショウゴに変身!

 そしてチェックイン!


 うおーっ!

 極寒の外からめちゃくちゃに温かい屋内!!


 スパイス状態の時は魔導書の力で寒暖差を克服しているからなあ。

 お願いしたのは、防音設備がしっかりとした部屋。

 魔導書が出てきてわちゃわちゃ会話するし、場合によってはホテルから配信するからね。


 配信者だということは伝えてあったので、希望通りの部屋に通してもらった。

 ありがたい。


 そのフロアに到着して納得。


「1フロアに二部屋しかないな……。なるほどなあ。確かに宿泊料もそれなりに高かったし、防音設備だからなと思っていたが……スイートルームだったとはな……」


 一つのフロアに部屋数が少なければ、防音を気にする必要もあるまい!

 なお、北海道の建物は壁が厚く、防寒対策がバッチリでその副産物的に外に音が漏れにくくなっている。


 これも配信者にはありがたい限り。

 外で活動するとなると、冬場はハードモードだが……。


 外は吹雪き始めており、こんな中で活動していたまたぎさんは凄いなあ、などと感心する俺なのだった。

 そこで、魔導書に戻っていた一同がカバンからポンポン飛び出してくる。


『わーっ! 広い部屋ですよー!』


『んいつもの家より部屋数が多いぞ!』


『スイートルームでやんすねえ……』


『お風呂をチェックに行ってきますぅ』


『インターネット設備ももちろん完備ざんすねー。マスター、配信するざんすか?』


「もちろん」


『ふーん、気温的には冬のカンザスくらいだけど、やっぱ雪が多いのは違うわよねえ。あっちはまあまあ乾燥してるし』


 一気に賑やかになった!


『ではマスター、配信準備をお願いします。カラフリーお兄様、お手伝いをお願いします』


『オッケーざんす~!』


 フロッピーが配信のためのもろもろを用意し、カラフリーはゲリラ配信の連絡。

 俺は……。


「どのモードで配信するか……」


『あら。風と氷の国に来たんだから、あたしで決まりでしょ? いつも使ってるフロータは、マリンナと一緒に部屋の探検に行ってるし』


「そうか……そうかも。じゃあメタモルフォーゼ!」


 パキーン!とラビットスパイスに変身するのだった。


「ってことで! 北海道からこんちゃー! どーもどーも! スパイスでーっす!!」


※『こんちゃー!』『どーもー!』『そろそろ配信来ると思ってた!』ザブトン『ラビットきちゃー!!』ランプ『スパイスちゃんの活動時間的に、19時から20時のゲリラ配信が多いんだよね』


「えーっ、まことにー!? 全然意識してなかったなあ」


 そう言えば、確かにその辺りの時間でゲリラ配信することが多かった気がする。

 あるいは21時台とか。

 基本、スパイスは24時を過ぎると寝ちゃうので、配信時間はその辺りに限定されるのだ。


「北海道に来て、実は熊内またぎちゃんに協力してもらって最後の魔導書を探索してるんだよねー。札幌市内に潜伏してるのは確か! でも、魔導書で手分けしたけどあんまり情報は集められなかった!」


『雪に不慣れな連中が、雪に埋もれて遭難してたしねー』


『あれはたまたまざんす! 次はもっとうまくやるざんすよ~!!』


 スノーホワイトにつっつかれて、カラフリーがムキーッとなる。

 確かに、カラフリーがいたグラーツでも大雪が降る……って環境じゃなかったし。


 降雪量で言うなら、日本の日本海側はかなり多いので、これを経験している魔導書は存在しない可能性がある。

 スノーホワイトのみ、持って生まれた特性でこの環境に即座に対応できるわけなのだ!


「なお、これがメンタリスとカラフリーが雪に埋もれていた画像でえす」


※『クラーク博士の前だw』『埋もれてる~w!!』


 ドッと受けるお肉ども。


「こんな厳しい環境なので、魔導書でも活動を制限されるわけなんだよね。だけどパワードは単独で動き回ってるわけです! まあ、中央アジアからロシアまでを横断して、シベリアから海を渡って北海道に上陸した魔導書なんで……」


※『無法過ぎるw』『今までの魔導書で一番アクティブじゃない!?』マルチョウ『本州までやって来たら、行動しやすくなるからより暴れそうだ』おさかな『冬場は水面近くも海底に近い水温になって、過ごしやすくなるんですよね』


「そういうわけで、本州に来る前に札幌でパワードを止めまぁす! いや、市街地で戦闘になるのは正直避けたいんだけど!!」


 札幌、都会だからねえ!

 思っていた以上にあちこちに建物があって、下手をすると被害が出そうだ。


「札幌に住んでるリスナーさーん! 情報提供待ってまーす!!」


 コメント欄にいた札幌住人が、うぉーい!と了承の雄叫びをあげた。

 頼もしい~!!


※じゃがバタ『早速なんですけど、俺の車の前を金色のマフラーを首に巻いた革ジャンの幼女が走ってるんですけど』


「えっ!?」


※じゃがバタ『奥さんが運転してるんで……えっと、待っててください』


 じゃがバタから、撮影したらしい画像がツブヤキックスに貼られた。

 後ろ姿を見るに……。


「パワードじゃん!!!!」


※『うおおおおおおおお』『うおおおおおおおおお!!』『いきなりいたああああああ!!』


「追跡は危険なんで後を追わないでねー!!」


※じゃがバタ『我が家への進行路をまっすぐに走っててどうしようもないです! 速い速い! 道路を車と同じ速度で走ってる!』


『主! あっしが今、このリスナー氏の発信元を辿ってるでやんすよー! うおおー、リスナー氏無事でいてくれでやんす~!!』


 メンタリスが心配するレベルだー!!

 ってことで、パワードを追跡していくぞ!



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