第9話

雅side



「お願いします。」




「はい。」




俺は放課後になって、人目のつかないところに止まった車に乗り込んだ。



須藤の家に行くときは必ず黒のパーカーを着てフードで顔を隠す。この運転手さんも俺の素顔は知らない。



まぁ、すぐに俺が高校生だってことらばれるはずだ。





「あの、クロさんは若頭と同じ高校なんすね。」




運転手さんは控えめに言葉を発した。


俺のこと、怖がってるっていうかそんな雰囲気が感じられる。




「まぁ。」




「...そ、そうすか。」




この人、俺より大分年齢は上だと思うんだが...。








沈黙...。









「着きました。」




「ありがとうございました。」




「いえっ。」




俺に対してそんな畏まらなくてもいいのに。

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