第13話 小説の世界での再会

目を開けると私はまたセーラー服を来ていて、肩からマシンガンをかけていた。

周りを確認するとまた学校の廊下。

指輪を見てみると最初に指に嵌めたときと同じ状態に戻っていた。

この世界に来るとまたしっかりした指輪になるのか...。


とりあえず小説の世界には無事に来れたみたい。

よし、二兎を探すぞ~!!!


まずは前回行ったあんぜん第一団の部屋に行ってみようっと。



「二兎が今どこにいるか知りたいんだけど!!!」



そう言ってあんぜん第一団のドアを開けると、前回も会った団長と呼ばれていた女の子がいた。



「あっ、愛さん!おかえりなさ~い♡」



前回同様、にっこにこの笑顔で対応される。

そういえば二兎はこの世界で団長と幸せになるみたいなことを書いてたな...と思い出して、少しモヤモヤした気持ちになってしまう。


団長はそんな私のことなんて一切気にする様子もなく、明るい声で続ける。



「二兎さんと愛さんはペア登録されてるので、指輪がお互い専用の通信機として使えます!」



二兎、あんなこと書いてたのに、私とのペア登録はまだ解除してないんだ...そう思うとなぜか少しだけ嬉しくなってしまった。

そして指輪、何気に便利アイテムだな。



「通信機として使えるって、それって指輪に直接話しかければいいの?」


「そうです!まずはそこから呼び出してみてください♡」


「わかった、やってみる。」



私は指輪を口に近づけて大声で叫んだ。



「二兎、聞こえる?昨日からわけのわからないことばっかりだから、あんたから直接説明してもらえないと納得できないんだけど!!!今どこにいるの?とにかく早く会いに来て!!!」



しかしなにも反応はなかった。

二兎のやつ、もしかして聞こえないふりしてる?



「ねぇ団長、呼び出しても反応がない場合はどうしたらいいの?」


私は団長に聞く。


「そうですね...緊急の場合でしたらこちらで強制的にワープさせることもできますけど...」


「めっっっちゃ緊急事態だよ!!!」


「あら、そうなんですね~。では、少々お待ちください♡」



そういうと団長は教室内のカーテンで仕切られた奥の方に行ってしまった。

少しすると、校内アナウンスのようなものが流れてきた。



♪ピンポンパンポーン


【植木 愛さまとペア登録をされている相田 二兎さま、パートナーの方が大変お困りですので、今すぐそばに来てあげてくださ~い♡】


♪ピンポンパンポーン



迷子の呼び出しみたいな感じでワープまでさせられるのか。

指輪に叫んだりしないで、最初からこうしてもらえばよかったな...。


そんなことをぼんやり考えていると団長が戻ってきてこう言った。



「あっ、二兎さん、おかえりなさ~い♡」



はっとして振り返ると、そこには気まずそうにして立っている二兎の姿があった。

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