共感人類
ワタリ
第1話 推し論
ひっそりと佇む一つのバーがあった。
そこでは……
「ねーえぇ推しのアイドルが熱愛すっぱ抜かれただけど!!」と店ナンバー5番マリ姉が愚痴をこぼす。
「それ信憑性ある?」とマスター
「ん〜〜でもなー想像するとキツイよ〜」「想像って何を?」
「推しにもし彼女がいてその子一人に微笑んだり……あれやこれよ!」
「マリ姉は推しと付き合いたいの?」
「まさか!」少し考えた後、「でも、彼女いるって知ってる状態だと、ライブとかで私たちに向ける笑顔が信じられなくなりそうかも」
「……」するとマスターが「私も少し、いいかな?」マリ姉が静かに頷き「どうぞ」 「私もアイドルの推しがいてさ、彼ね、半年ぐらい前にモデルとの熱愛すっぱ抜かれて、そんで、そのモデルと3ヶ月前に結婚したのよ」するとマリ姉が目をかっぴらいて「キツすぎじゃないすか!」と まるで我が身に起きたかのように恐怖に満ちた顔で言う。
「マスター生きてます?」
「いや!目の前にいんでしょーが! つかその情報入ってきた瞬間私マジ興奮したのよ!」
「……何故!?」
「だってよ考えてみ?彼らの職業はアイドルなわけよ。つまりさ、合法的に人の男を色目で見る背徳感を得られるわけさ!」
「嫁がいようが関係ない!何故なら彼らはアイドルだから!」「………なるほど…」「リピートアフターミー!ナゼナラカレラハアイドルダカラ!」「……」「セイ!」「あい!」
「何故なら彼らはアイドルだから!」
「何故なら彼らはアイドルだから!」
「何故なら彼らはアイドルだから!」
……………………………………
……………………………………
こうして二人は傷を舐めあった。
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