私…魔法使いだったの?! ~前編~
気がつけば放課後、皆わいわい放課後の予定を話ながら教室を出ていく中
私は一人、廊下をポツン、と歩く
「明萌璃!一緒に帰ろ~!」
「無理」
「酷い!!」
(まず友達って、一方的に言われてるだけなんだけど…)
そんな事を思いながら断ったけど、何気なく命は付いてくる
「でさ~!あいつが…」
学校の校舎を出て、人気の多い小道を二人で雑談しながら歩いていく
「なにそれ…!」
ただ、それだけなら良かったのに
「え、あれって、…死神じゃない…?」
あぁ、またか
「うわ、ほんとじゃん…」
途端に道が綺麗に開いていく
さっきまでの賑やかな人の嵐が嘘かのように…
「っ…!!」
「良いんだ、命…
全部、私が悪いから…怒んなくて良いよ」
もう、慣れてしまってるからなのか…何も、感じなくなってしまった。
そもそも、関わらせてしまった、私が全部悪いんだから
あの子達は何も、…悪くない…
「……何が悪いのさ…明萌璃の…」
「え、?」
意外な台詞を向けられて顔を上げる
「あの時だっ、」
命が何か言いかけた時、前を見て私を庇ってしゃがんだ
その瞬間、目の前で爆発音が鳴り響いた
「あ"~ぁ"~…外しちったよ…」
声のする高い杉の木の方をばっ、と見上げるとそこには銃口をこっちに向けて不機嫌そうな40後半の男がいた
(なにっ、あの人、…!!)
「なんのつもりだ!!」
私を庇いながら、声をあらげてその男に命は聞き返す。
「何って…おらぁ…その女を…殺しに来たんだ」
そうして指差されるのは紛れもなく私だった
「えっ、…?!」
(何で…私の事…を…?私、なんか、した…?)
「何でこの子なんだ…」
「あ"…?聞こえねぇよ、もっとでかい声で喋ってくんねぇかな~?おじさん最近、歳で耳が悪くなってきて…」
「何で明萌璃が殺されなきゃならないのか理由を聞いてんだよ!!」
(こんな、命…はじめてみた…)
声を張り上げてぶちギレた命はまるで…尻尾を踏まれた虎みたいだ
「答えは単純、上からの命令だ」
「言ってること、良く分かんないんだけど…?」
「分かんなくて結構だ、クソガキ…もう死ぬからな!!!」
「まずい、…命!!!」
男が銃を構えて、命目掛けて引き金を引いた
「あぁ……いずれこんな日が来ると思ってたけどさ……
ぶっちゃけ来ちゃったら最悪なんだよね…」
(あれ…?)
「命…?!」
何で、生きて、さっき…銃…
「明萌璃、詳しい事情は後で話すから…今は…」
とても真剣な顔で返され、息を飲んで聞き返す
「今は…?」
「全力で逃げるよ!!!!」
「えぇぇ?!?!」
さっきまでの威勢とは裏腹な声と言葉が返ってきて出遅れたが、私も負けじと走る
「命!!これまずいんじゃないの?!どうするの?!」
「だいじょーぶ!ある人がなんとかしてくれるから!!」
「ある人…?」
こんな時に頼れる人がいるんだ…
人望があるんだ…うらやましいな…
(あれ、私…今…命の事…羨ましいって…思っ、た…?)
「待てぇ!クソガキどもぉ!!!」
そんな事を考えている間にも男は迫ってくる一方だ
「えっと……は!!ここ!右に曲がって!!」
「え、あ、うん?!」
うんじゃない!!ここは、曲がれば…行き止まり!!
「どうするの?!ここ、行き止まりだけど?!」
「さっきも言ったでしょ…?大丈夫だって!」
「っ…!」
あぁ…大丈夫なはず、無いのに…絶対そんなこと無いのに…
落ち着くのはなんでだろ…
「追い詰めたぞ…クソガキ共…袋のネズミだ!しねぇ!!」
男が打とうとしたとき、どからか不意に霧が立ち込め、前が見えなくなる
「な、なんだ、?!」
「なに、これ…霧…?」
「来た!!」
そう、命が言うと男の方から人が倒れた音がして、同時に霧が晴れる。
「たお、れて、る、…」
何…?毒性のある霧…?それなら、私もすっ…
[トンッ]
あれ、…意識、が…みこ、と、…?
────────
「ぐっ、…うっ、…グスンッ…」
一人の女の子が泣いてる
ピンク色の髪で、触覚が一回だけクルっとロールになっていて三つ編みをハーフアップ型で繋ぎ大きな赤いリボンを着けた、ハートのアホ毛の女の子。
(あぁ…私だ…過去の…)
紛れもない、それは私だった
「私のせいだッ…」
昔は、私の回りには人が沢山いた
私だってこんなに暗くなかった
「お、俺…!君が好きだ!」
そう告白してきてくれた、男の子がいた
でも、その子は
誘拐され、次の日に亡骸で見つかった。
また、中学に上がったばかりの頃
私と仲良くしてくれてた女の子がいた、親友だと思ってきた頃。
その子も男の子と同じような殺され方をされた。
それから、私と深く関わると死ぬと回りから「死神」と、呼ばれるようになった。
『……何が悪いのさ…明萌璃の…』
命……
──
「命!!!はぁ…はぁ…」
(あの日の夢か…)
飛び起きた私の額からは、汗がにじみ出ていた
随分、魘されていたことが自分でも分かる
「ぐっ……」
「明萌璃っ…!!!!」
聞き馴染みのある声で呼ばれて顔を上げると泣きながら私を見る命がいた
「命…!!良かった…!!生きてた…!!!」
胸の中がほっと、安心で満たされる
「勝手に殺さないでよ~!」
「わぁぁぁん!」と泣きながらも「良かったぁ!!」と私が目覚めたことを祝ってくれた。
「随分魘されてたわね、何?命が死ぬ夢でも、見てた?」
横から知らない甘く強い女性の声が聞こえた
「……誰、?」
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