第3話

部屋に戻ると真っ暗な部屋の中を歩いて、自分のベッドに音をたてないように気を遣いながら横になる。



ふう……疲れた……



「ねえ?上手くいった?」



右隣のベッドから夏樹 ( ナツキ ) が小声で聞いてきた。



「うん」



「マジで?大丈夫!?」



左隣から恋華 ( レンカ ) が同じように小声で、でも少し興奮気味に聞いてくる。



「依頼はできたよ」



「良かった……」



「今はいくらある?」



「合わせて一千万円……」




一千万円。



これが私たち三人が三年間貯めた額。



私たちが自由を求めて貯めてきたお金。

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