第47話

洗面所で顔を洗って鏡を見た。



『身体だけでも歩かないと』



青白い顔で呪文を唱えるように繰り返すとふいに昨日会ったとなりの高校生を思い出した。





外に行こうかな……




彼を思い出したとき不思議とそんな気分になった。




マンションの下に公園がある。




本でも持って行って陽にあたって時間をすごそうと思い、シャワーを浴びてからサテン生地のショーパンに黄色とベージュのボーダーニットを合わせると公園へ向かった。




公園まで続く遊歩道は緑の葉をたくわえた木々が左右を囲み、風が吹くたびに歩道に落ちた木洩れ日も揺れている。




その中を歩いていくと広い公園にでた。

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