第37話  昭和の星を求めて

 源次は、最新の映画制作技術を学ぶために研究を重ねていた。ある日、偶然手に入れた古い文献に、タイムスリップ装置の設計図を見つける。半信半疑で装置を組み立て、スイッチを入れると、目の前が眩しく光り、気がつくと昭和の日本に立っていた。


 源次は、街の映画館の前でポスターを見つける。「男の中の男、高倉健」。好奇心から撮影現場に向かうと、剣道の稽古をしている高倉を発見する。

『鉄道員』を思い出した。

 源次は彼に近づき、未来の映画界について熱心に語りかける。高倉は驚きつつも、真剣に話を聞いてくれる。


「君の話は面白いが、どうして僕に?」と高倉。


 源次は「あなたの演技が、未来でも多くの人を感動させるからです」と答える。高倉は考え込み、次第に意気投合する。


 その後、源次は渡瀬恒彦に出会う。『戦国自衛隊』や『そして誰もいなくなった』に出ていた。彼は一見無邪気で、自由な雰囲気を持った男だった。源次は彼のカリスマ性に魅了され、映画の未来について話す。渡瀬は興味を持ち、「未来ではどんな役をやりたい?」と尋ねる。


「あなたには、ヒーローや悪役、どちらでも似合う。多才なあなたが未来でも活躍する姿を見たい」と源次は熱を込めて伝える。渡瀬は笑いながら、「面白い、少し乗ってみるか」と答える。


 最後に、源次は下川辰平を見つける。『太陽にほえろ!』の長さんだ。彼は現場でコメディの演技をしており、その才能に感動する。源次は彼に声をかけ、「あなたのコメディセンスが、未来の映画を明るくする」と告げる。


 下川は「君は未来から来たのか?それなら、もっと面白い話を聞かせてくれ」と興味を示す。源次は彼に未来のコメディ映画のアイデアを語り、下川もその可能性にワクワクする。


 源次は、3人との絆を深める中で、彼らがなぜ昭和の映画界で特別なのかを理解する。高倉の真摯さ、渡瀬の多才さ、下川のユーモア。彼らとの時間が、源次にとっての宝物となっていく。


 源次は、彼らと共に未来の映画を作るために、タイムスリップの方法を模索する。高倉は「過去を背負って生きるのも悪くない。未来は君に任せる」と言い、渡瀬と下川も同意する。


 最終的に、源次は彼らと共に未来の映画のためのアイデアを持ち帰ることを決意する。別れの時、彼らは源次に「新しい時代で輝け」と励ましの言葉を送る。


 源次は再び装置を起動し、未来に戻る。彼の心には、昭和の偉大な俳優たちとの思い出が刻まれ、未来の映画に新たな視点をもたらすことを誓った。


 こうして、源次は過去の偉大な才能を未来に引き継ぎ、新たな映画の世界を切り拓く旅を続けるのだった。


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