とあるアプリで出題されたテーマから紡がれるセカンドストーリー

砂坂よつば

第1話【始まりはいつも】ト【声が枯れるまで】

 始まりはいつも突然やって来る。

誰も予想なんてできない。

そう、【恋】の始まりはいつもひとりでにはじまるの。


あたしの恋はいつも見た目ビジュアルから始まる。


あたし「あの人かっこいい〜」


昼休み学校の屋上でクラスメイトの友達の真珠星すぴかと昼食を食べながら、

グランドを眺めていたら名前も学年さえ分からない友達とサッカーをしている男子生徒を発見した。

その姿にあたしは目が釘付けになっていた。


高校1年の春、あたしこと輪通わづつ萌香もえかはあの人に【恋】をしました。


———————————————


 声が枯れるまで力いっぱい屋上から叫んでみたらグランドにいた全員がこちらを見たの。

びっくりしたわ。一目惚れした彼にしか叫んでいないつもりでいたのに……。

隣にいた真珠星にどうしてみんなこっちを見たのか聞いてみたら。


真珠星「そりゃそうでしょ。『おーい。おーい!そこの生徒〜』なんて言えば皆んな見るっしょ!バカやってないで萌香も頭下げて!!」


そう言って真珠星は屋上から皆にペコペコと頭を下げていた。

その後すぐに屋上へ息を切らしてやって来た、ちょび髭を生やしたアドルフ・ヒ◯ラーに似た容姿の生活指導の先生に腕を引っ張られ指導教室、通称「反省室」に連れて行かれたのは真珠星の方だった。


真珠星は声が枯れるまで抵抗し萌香の名前を叫んでいる。


真珠星「先生!私じゃないって〜〜!!萌香だって!!マジで、聞いてよ〜!!」


連れて行かれる真珠星を後ろで見送った萌香は呟いた。


萌香「まるで警察に捕まった時の犯罪者のような姿ね。気をつけないと……」


1話End



お題【始まりいつも】24‘10/21


  【声が枯れるまで】24‘10/22

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