第44話 沼ダンジョン踏破

いよいよラスボス部屋に入る。

そこは沼の真ん前だ。足場としての地面は100m四方位ある。大物が出て来そうな雰囲気が有る。俺が来たときはラスボスは巨大なザリガニだった。倒した後肉を食ってみたが、砂っぽくて食えたものでは無かった。おまけに腹を下して苦しんだ苦い思い出しか無い。あの頃はまだ鑑定スキルも持ってなくて散々な目に合った。でもこの後直ぐ【毒耐性スキル】をゲット出来た。怪我の功名っていう奴だったのかな。


今回のラスボスは蟹だった。パット見は巨大な毛ガニだ。鑑定すると【高級食材。無毒。超美味】と出た。

今回は期待出来そうだ。


さて奴の攻撃はどんなものかな?と鑑定すると【カニコウセン】と出た。

どんな意味かな?まさか【蟹工船】じゃないだろうな?そんなダジャレみたいなものでは無いだろう!

蟹の目から光線が出るのか?


嫌な予感がして3人を覆う防御結界を10倍にしたその時、予感の通り奴の目から光線が発射された。防御結界にぶつかった光線はまっ直ぐそのまま反射されて、攻撃した本人(本蟹)にぶつかった。

ドジな奴だと思ったが奴は無事だった。よく見ると奴が出したと思われる泡に守られていた。凄い効果だ。

魔法攻撃無効なら物理ではどうかな?

泡で防御しているうちはカニコウセンは出せないようなのでその間に斬りかかる様に2人に支指示する。

それに応えて2人は4種超合金刀で斬りかかったが、泡は刀を包み込むように受け止めた。4種超合金刀でも斬れないなんてどいうことだ。

前回はこんなに強い相手では無かった。

これがA級ダンジョンに昇格した証なのか。

だが俺達はS級クラスの実力者だ。何か突破口が有るはずだ。考えろ。考えるんだ。


『『『【金属以外腐蝕液】』』』


3人の考えが合致した。


それを嘲笑あざわらうかのようにかには2本のハサミを伸ばして紗耶香と紫苑を捕まえようとする。あんな大きな爪(ハサミ)で捕まえられたら2人の身体がちぎれてしまう。


すると紗耶香の姿が消えて紫苑に触ったと思ったら2人とも姿が消えた。


「おじちゃん私たちの方は心配しないでこいつの目を切っちゃって!」

「判った」


俺は蟹の目の横に転移してまず右目の泡に【金属以外腐蝕液】を振りかけて泡を溶かし。すかさず4種超合金刀で右目を切り離した。怪獣のような声で叫ぶ蟹。

上手く切り離せた。

次いで左目。こっちも完了。


視界を失った蟹は狂ったようにハサミを伸ばして振り回す。

俺は伸ばしたハサミの関節部分に【金属以外腐蝕液】を掛けて次いでハサミを切り離す。

さて、討伐完了と行きますか。

鑑定で奴の心臓の位置を探す。

有った。

『紗耶香、紫苑奴の心臓の位置の泡を溶かすから刀で止めを刺すんだ。行くぞ』

『はい』『了解』


討伐完了した。


ドロップ品は【カニコウセン】スキルの宝玉。【防御泡】スキルの宝玉。

【ハンド延長】スキルの宝玉。

(宝玉を身に着けていることでスキルとして使用出来る)


蟹肉2トン。蟹味噌300kg魔石。

蟹の殻1トン。(軽くて頑丈な防具を作れる)


蟹肉はハサミ1本分で3人でも腹いっぱいだった。


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