第28話 紗耶香の想い
秋葉隆史の姪の紗耶香の想い
★★★★★★★★★★★★★
隆史おじちゃんが、新S級ダンジョンの調査から帰って来ました。
叔父,姪の間柄と言っても私とおじちゃんは血が繋がっていません。
私が小さい頃実の母親は病死してしまったそうです。お父さんは再婚で私は連れ子だったのです。今のお母さんはおじちゃんの妹で大学生になったころにお父さんの事務所にアルバイトで働いていたそうです。優しくて朗らかなお母さんにお父さんは恋をしてしまったそうです。
そしてお母さんが大学卒業した時点でプロポーズしてお母さんが受け入れて私達は家族になりました。その時私は7歳でした。
隆史おじちゃんはもう既に日本有数の収集人になっていて、我が家を経済的に救ってくれたのです。その上新築したばかりの家を私達一家の為に貸してくださいました。
ご自分は毒竜ダンジョンの最下層に養魚場を作ってそこで一生を終えたいと言ってそこに引きこもってしまいました。現住所をダンジョン内に登録できないので、私達の家がおじちゃんの現住所になっています。
自分に届いた手紙を保管してくれることと、一切の税務関係をお父さんの事務所にやって欲しいと言って家賃を受け取ってくれません。
今では顧客も増えて裕福な家庭になっていますが、その顧客の多くはおじちゃんの人脈で紹介して頂いたものらしいです。
何から何までおじちゃんのおかげです。
でもおじちゃんは恩に着せようなんて言動は一切しません。
私は子供心におじちゃんに憧れていました。
私の手の甲にD級収集人の印が現れた時はとっても嬉しかったです。大きくなったらおじちゃんと一緒にダンジョンに潜れると思ってワクワクしていました。
高校卒業と同時に進学しないで収集人として生きることを決断しました。
おじちゃんとお母さんのご両親は事故で亡くなったそうで、おじちゃんは高校中退して収集人に専念して、お母さんを大学卒業,税理士合格するまで養って下さったそうです。
子どもの頃憧れだったおじちゃんは今では憧れの男性になっています。もうおじちゃんじゃ無く秋葉隆史さんとして愛しています。血の繋がらない男と女、例え17歳の歳の差が有ったって構わないわよね、愛さえあれば!
と思っていたのですが、隆史さんはダンジョン庁東京本部で坂本長官の秘書として働いている二集院桜さんと結婚すると言ってきました。
仕事の出来る大人の女性です。顔も体も私が勝てる所なんて何1つ有りません。
お父さん、お母さんとも大喜びで、祝福していますが私の心は複雑です。
隆史さんからまた電話がありました。
明日から桜さんが養魚場で一緒に暮らすそうです。
私はもう御用済みでしょうか?地上の実家に帰らないといけないんでしょうか?
ここに居たって桜さんと隆史さんとのいちゃいちゃを見せつけられる。それよりも良いのかも知れないわね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます