第19話 フラグか?レオフォン登場
翌朝頂上を目指して出発する事にした。
「お風呂が有って、水洗トイレが有ってベッドで個室で眠れるなんて、なんて快適なダンジョン探索なの!秋葉さん、これからもパーティー組んで下さい」
珍しくメアリーがまともに願いを伝えて来た。隣で恵も頭を下げている。
だけどそれについては即答出来ない。俺には養魚場の大切な仕事がある。
そのことを2人に伝える。
「そっかー秋葉さん、収集人を引退して養魚場を専門の仕事にしたいってことですね」
「でも、ダンジョン長官や取引先の人たちが猛反対してるってことなのですね」
「秋葉さん凄く頼られてるんですね。それだけ秋葉さんの仕事っぷりが皆さんに評価されているんですね」
「それなら、及ばずながらこのメアリーとめぐみんが頑張って秋葉さんの仕事を肩代わり出来る様になれば秋葉さんの引退が見えてくるってことですよねえ」
「あ、ああ、まあな」
「じゃあ私たち2人を1人前の収集人に育てて下さい」
「うん、そうそう」
「その話は少し待って欲しい。相談したい人達が居るから、相談してから答えるよ」
「そうですよね」
「もしかして相談相手って奥さんとか?」
「いや、俺は独身だよ」
♪♪♪メアリーと恵の内緒話♪♪♪
「めぐみんチャンスだよ。秋葉さんみたいな優良物件、なかなか居ないよお互い頑張ろう!」
「お互いって、メアリーも奥さんの座を狙ってるの?」
「やっぱりめぐみんも狙ってたんだ。こりゃ負けられないなあ」
少し離れた所で何やら小声で話し込んでいる。
「ハックション」
何だろう、寒気がするんだが……。
洞窟を出て出発する事にした。
今度は恵もすんなりと、入口の穴を通れた。コツを掴んだらしい。
外に出た途端危険な雰囲気を感じた。
何か判らないが、とっさに3人を防御結界で覆った。
ガッガッガッと強力な風魔法が結界に当たった。
「何あれ!翼の生えたライオンが飛んでいるよ」
「だから言ったじゃないフラグを立てるなって」
「大丈夫よ【レオフォン】くらい。秋葉さんがチャチャチャっと倒してくれるよね」
『何だその【レオフォン】てのは?それにメアリーが倒すんじゃないのか?」
「えへへ、あたしが名前つけたのよ、可愛いでしょ」
「あんまり可愛く無いわよ!さっきから【
「メアリーは転移魔法を使えるか?」
「50mまでの距離ならOKよ」
「よしそれなら2人共今覆っている防御結界を解くから自分に自分で結界を張ってくれ」
「どうするの?」
俺が奴の心臓を覆っている日緋色金に【金属腐蝕液】を転送して
穴を開けるからその穴にこのオリハルコンの剣を突き刺してくれ。恵はここからメアリーを支援するんだ。いいな」
「オリハルコンの剣も溶けちゃわない?」
「大丈夫だ。中和剤を塗ってある」
「フーン、用意周到ね。流石アッキー」
「アッキー?変なあだ名で呼ぶな!」
「ええ?ケチ」
頭が痛くなるのでサッサと終わらせよう。
「【金属腐蝕液】転送!」
奴の心臓が有る辺りに転送すると見る見るうちに日緋色金が溶けて行く。中の毛皮が見えた。
「メアリー今だ!」
メアリーはレオフォンの腹側の日緋色金のカバーが溶けた場所に転移して剣を突き刺した。
見事に剣は心臓を貫いたようだ。激しく血が噴出する。
返り血を浴びたメアリーに恵が清掃魔法を掛ける。
「いいコンビネーションだ」
レオフォンは消滅して大量のドロップ品を残した。
魔石は勿論、肉、毛皮、翼、血液、骨、そして風魔法を撃てる爪
フアィヤ―ブレスを撃てる牙などだ。
魔法が苦手なメアリーが爪と牙を欲しがったのでそれらと今使用したオリハルコンの剣を与えた。
「わーい嬉しい!この剣、凄く良く切れるのよ。まるで豆腐に包丁を突き刺した様な感覚だったわ」
恵にもミスリル製の魔法の杖をプレゼントした。魔法の威力を高める効果が有る。
「エッ私にまでいいんですか?売ったらとっても高いんでしょうに」
「パーティー仲間である以上強くなって欲しいからな。この杖ならモンスターを殴り殺せるほど頑丈だから近接戦になっても身を守れるほどになって欲しい。是非使いこなせるようになってくれ」
「はい頑張ります!」
恵は杖を振り回して殴る、払う、突くことを想定して練習している。なかなか良い動きをしている。杖術の素質が有りそうだ。魔法は元々得意なので中級の魔法が上級魔法の威力になっている。
新たに治癒魔法を覚えたらしい。治癒と言うよりも再生魔法に近い効果が有ると鑑定して判った。手足を失っても再生出来るらしい。魔力量も増大しているようだ。
俺も、エリクサーを持っているが人前ではあまり使いたくない。
人前では恵に頑張って貰おう。
俺は刀剣鍛冶スキルで作った日緋色金の日本刀を腰に差している。やっぱり俺は日本人だ。剣術は習ったことは無いが何かしっくりくる。
さてもうすぐ頂上だ。
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