第2話

小さな頃から、画用紙に描く絵は決まっていた。



可愛いドレスを着て、綺麗なブーケを持ったあたしの薬指にはキラキラのダイヤの指輪が嵌めてあるの。



年頃になったら、当然素敵な王子様が現れるものだと思っていた。




その王子様は、強くて優しくてカッコ良くて、この世のありとあらゆる物からあたしを守ってくれる。


あたしはその王子様と出会い恋に落ちて、永遠に愛し合いながら幸せに暮すの。


シンデレラや白雪姫がそうだったように、自分にも同じように素敵な王子様と暮らす権利があるものだと思っていた。



悲しい事や、辛い事や、困難があれば、必ず手を貸してくれて、大丈夫だよと抱き締めてくれる王子様が、必ず自分の元に現れると信じていた。




「嫌だぁぁぁぁぁぁ!!」




結構本気で信じていたのに…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る