用語集(第四章)
【登場人物】
ブラン(十三歳)
本作の主人公。中の人は三十歳。人気ゲーム『英魔戦記~二人の勇者~』の主人公に転生した。もう一人の勇者ノワールの従者になり、原作のイベントや魔王討伐を押し付けるために活動中。
ノワールとともに授けの儀を受け、原作通り勇者の職を得る。
コメットの存在がバレないように新たに氷魔法を習得したが、その際に凍らせただけでは倒した判定にならないことに気付き、パーティーメンバーのレベリングが捗るとキャッキャしている。
なぜかノワールの祖母イヴェット・ワイヤックに気に入られてしまった。
オドリックのお披露目パーティーの席で、オドリックの勧誘に思わず吹き出してしまう。が、なんやかんや適当に言い繕って無事に窮地を脱することができた。
しかし、そのせいで第二王子派に睨まれてしまった。
ジスレリア(架空の人物・故人)
ブランがいろいろ誤魔化すために作り上げた架空のばあちゃん。幼いブランを拾って、いろいろな知識や戦い方を教えたことになっている。
一部である王族と同一視される向きがあるが完全に勘違い。そもそも存在しない。
ダンジョンの変異種に関する情報をブランに教えたことになっている。
また、授けの儀よりも前に職を知る方法を知っていたという疑惑もある。が、そんなことはない。そもそも彼女自身が存在しないのだから。
ワイヤック公爵家
ノワール・ワイヤック(十三歳)
もう一人の勇者でワイヤック公爵家の嫡男。剣と魔法の才に優れ、領内では“天才”、“黒髪の神童”などと呼ばれている。
ヴァレスの町での出来事があちこちに広まったことで、一躍時の人になってしまった。それをプレッシャーに感じることもあったが、授けの儀で無事に勇者の職を授かる。
オドリックのお披露目パーティーでクラリスと再会。リオネラに好意を持っているが、同時にクラリスにも特別な感情を持っていることを再確認する。
そのため、彼女を奪ったオドリックを敵と認識している。
タンシチューが最近のお気に入り。
ファビアン・ワイヤック(三十四歳)
ノワールの父でワイヤック公爵家の現当主。
母イヴェットが連れてきた従者たちの中に複数の密偵が紛れ込んでいたことから、彼が政務を十分にこなせるようになったタイミングで父セザールが引退。若年で公爵家を継ぐことになった。
その数年後、イヴェットの従者たちの密告でノワールとクラリスの婚約の予定が破談になり、それ以降イヴェットに対して複雑な感情を持っている。
エルミーヌ・ワイヤック(三十二歳)
ノワールの母でファビアンの第一夫人。ファビアンやノワールとともに王都に赴く。
王都に滞在中は他家のご婦人方との社交のため、忙しない日々を送っている。
ジョゼット・ワイヤック(三十歳)
ファビアンの第二夫人でジールとルージュの母。ファビアンやノワールとともに王都に赴く。
ジールやルージュの婚約者を選ぶため、候補者たちとの顔合わせを進めている。
ジール・ワイヤック(十歳)
ワイヤック公爵家の次男。母はジョゼット。赤髪で好奇心旺盛な性格。『亀ライダー』を気に入っている。
剣の練習をしていたもののあまり適性がなかったらしい。
そのため、今は亀ライダーの主人公ターロゥの戦い方を参考に、雷や風を身体に纏っての近接戦闘に力を入れている。
体に纏った雷をあっさり鞭状に変化させるなど、こちらの才能は抜群な様子。
現在、婚約者の選定が進められている。
ルージュ・ワイヤック(八歳)
ワイヤック公爵家の長女。母はジョゼット。赤髪でジール同様に好奇心旺盛な性格だが、ちょっぴり怖がり。ブランの話す物語がお気に入り。
ジールが本格的に鍛錬を始めたことに刺激を受け、魔法の練習に励んでいる。
現在、婚約者の選定が進められている。
レオナール・ワイヤック(七十一歳)
ワイヤック公爵家の先々代の当主でファビアンの祖父。
ノワールとクラリスの間に王家が入ったときには激怒し、王城に乗り込もうとした。
それ以降、王家やセザールの妻イヴェットと距離を置いており、今回の王都行きにも同行していない。
ブランにイヴェットについて忠告をした。
ローデット・ワイヤック(七十一歳)
レオナールの妻でファビアンの祖母。
ノワールとクラリスの間に王家が入ったときには激怒し、夫とともに王城に乗り込もうとした。
それ以降、王家やセザールの妻イヴェットと距離を置いており、今回の王都行きにも同行していない。
セザール・ワイヤック(五十一歳)
先代のワイヤック公爵。ファビアンやピエールの父。
王家からイヴェットを妻に迎えるが、彼女の従者に間者が紛れ込んでいたことで早い段階で当主の座を譲っている。
その後は王都に移り、イヴェットの監視と王家や他家との折衝に当たっている。
イヴェット・ワイヤック(五十一歳)
セザールの妻でファビアンとピエールの母。先代国王の妹で、現国王の叔母にあたる。先々代の国王の命で同い年のセザールに嫁ぐ。
嫁ぐ際に連れていた従者に複数の間者がいたことから、結婚当初から公爵家の人間との関係はあまり良くなかった。
彼女の従者がノワールとクラリス・レストーヴァーが婚約しようとしているのを王家に知らせたことで、その関係はより悪化している。
ブランのことを気に入り、何かと世話を焼いている。
ピエール・ワイヤック(三十二歳)
ファビアンの弟。王都で父セザールや妻ノエルとともに王家や他家との折衝に当たっている。
ノエル・ワイヤック(三十二歳)
ピエールの妻。王都でセザールやピエールとともに王家や他家との折衝に当たっている。
アーノルド(六十九歳)
ワイヤック公爵家の前家令。レオナールの父が当主だったころから公爵家に仕えていたが、ノワールのヴァーリ遠征に際し家令の立場を退く。
公爵一家の王都行きに際し、レオナールの補佐として領都に残る。
シーラ・ラークス(二十三歳)
ノワールの専属メイド。ラークス男爵家の次女。公爵一家の王都行きに同行。久しぶりに両親と顔を合わせることができた。
クレイグ・ボルドウィン(四十五歳)
ワイヤック公爵家の騎士団長。緑髪の大男。ボルドウィン家は代々公爵家に仕える騎士の家系で、職は斧聖。
寡黙だが、その実力はエピナント王国でもトップクラス。
レベリングを重ねたノワールすら圧倒するパワーを誇る。
エイブラム(五十歳)
ワイヤック公爵家に仕える騎士。公爵一家の王都行きに護衛隊長として同行した。
ランダン(四十二歳)
ワイヤック公爵家に仕える騎士。青髪のイケオジ。職は槍術士で、エイブラムと同等の力量を持つ。
公爵一家の王都行きに護衛として同行した。
アベル・ハンブリア(二十七歳)
ワイヤック公爵家に仕える騎士。職は結界術士。後衛寄りの職だが、前衛としても戦える。
公爵一家の王都行きに護衛として同行した。オーネルの町に滞在した時は、かつての部下たちと旧交を温めた。
また、王都では久しぶりに両親や兄たちと再会した。
ハート(二十八歳)
ワイヤック公爵家に仕える騎士。ノワールのヴァーリ子爵領への遠征に同行していた。
元冒険者の経験を活かして、ノワールやブランにダンジョン探索のイロハを伝授。
迷人族のシスティーに気に入られている。
フェルトーリ伯爵家
リオネラ・フェルトーリ(十三歳)
フェルトーリ伯爵家の三女でノワールの婚約者。自己主張は強くないが、芯の強い性格。
フェトールのダンジョンでノワールとのダンジョンデートを実現することができた。ノワールとの間に距離感を感じていたが、ブランのアドバイスを受けて少し安心している。
クラリスに対しては複雑な感情を持っている。
ロレッタ・フェルトーリ(三十九歳)
リオネラの母。
ノワールとリオネラのダンジョンデートの話を聞き、夫ロベルトの尻を叩いてダンジョンデートを実現させた。
ロベルト・フェルトーリ(四十一歳)
フェルトーリ伯爵家の当主。リオネラの父。
ロレッタの圧を受けてギルドと交渉。ノワールとリオネラのダンジョンデートを実現させた。
ルイス・フェルトーリ(二十歳)
フェルトーリ伯爵家の嫡男。リオネラの兄。フランクな人物で、商人との交渉などをしながら次期当主としての経験を積んでいる。
サリア(二十二歳)
リオネラの専属メイド。盾士の職を得ており、盾代わりのお盆を手にノワールとリオネラのダンジョンデートに同行した。
ダニエル(二十二歳)
フェルトーリ伯爵家に仕える若手騎士。竜人を討ち取ったブランにライバル心を持っている。
他の騎士とともに護衛としてノワールとリオネラのダンジョンデートに同行した。
ヴァーリ子爵家
アルメリア・ヴァーリ(十三歳)
原作のヒロインのひとり。ヴァーリ子爵家の長女。原作では
敬語が苦手なため、ノワールからは公の場以外では普通に話すことを許されている。
オドリックのお披露目パーティーは何とか乗り切ることができた。
コーデリク・ヴァーリ(三十五歳)
ヴァーリ子爵家の当主。アルメリアの父。お転婆なアルメリアに手を焼いており、せめて敬語くらいは……と思っている。
オドリックのお披露目パーティーでアルメリアがちゃんと敬語での応対ができたことにほっとしている。
メリッサ・ヴァーリ(三十四歳)
コーデリクの妻でアルメリアとフレッドの母。
お転婆なアルメリアに呆れてはいるが、コーデリクほど口うるさくするつもりはない。
フレッド・ヴァーリ(九歳)
ヴァーリ子爵家の嫡男。アルメリアと違って敬語はばっちり。
エリドール子爵家
フィリップ・エリドール(四十四歳)
エリドール子爵家の当主。勇者エドウィンの末裔。
王国最強候補の一角に数えられる実力者で、優れた観察眼を持つ。観察眼を極めた結果、先読みに近いこともできるらしい。
プロヴェール侯爵家
チャールズ・プロヴェール(四十三歳)
プロヴェール侯爵家の当主で第一王子派の筆頭。
ベイル子爵の一件で第一王子派は勢いを失ったが、なんとか盛り返そうと奔走している。
派閥内にはワイヤック公爵家にネガティブな感情を持つ者もいるが、彼自身は巻き返しのために複数の勇者を擁するワイヤック公爵家に接近しようとしている。
ギラン・プロヴェール(十五歳)
チャールズの三男。職は双剣士。第一王子ヘンリックの右腕的な存在。依り代候補の一人でもある。
レストーヴァー公爵家
クラリス・レストーヴァー(十三歳)
原作のヒロインのひとり。レストーヴァー公爵の孫娘。第二王子の婚約者だが、彼には指一本触れさせていない。
ノワールやリオネラに複雑な感情を抱いている。
エドモント・レストーヴァー(三十四歳)
西の公爵、レストーヴァー公爵家の次期当主。ファビアンとは学生の頃からの友人で、自身の娘クラリスをノワールに嫁がせるつもりでいた。が、王家の介入により頓挫。
久々にファビアンと再会。いろいろと語りたいことはあるが、余計な勘繰りを避けるために早々に立ち去った。
ベルカイム公爵家
グレン・ベルカイム(六十歳)
東の公爵、ベルカイム公爵家の現当主。第二王子派の筆頭。
ベイル子爵の一件に乗じて次期国王争いで優位に立つが、オドリックがノワールに対して強い対抗心を持っていることから、ノワールとワイヤック公爵家を強く警戒している。
オドリックの失言をきっかけに第二王子派が失速したことで、その感情は敵意に近いものになっている。
トラヴィス・ベルカイム(十三歳)
ベルカイム公爵の孫でオドリックの取り巻き一号。忠誠心は強いが、思い込みが激しく視野が狭いらしい。
オドリックの勧誘に噴き出したブランを糾弾しようとするも、逆に勧誘が王国法違反だと指摘される。
結果的にオドリックのジョークだということに落ち着いたが、この件をきっかけにブランに敵意を持つ。
ちなみにブランを糾弾したのがオドリックだった場合にはジョークで逃げることはできなかったため、結果としてトラヴィスはオドリックを救ったことになる。
ユニオール侯爵家
ライオ・ユニオール(十三歳)
ユニオール侯爵家の分家筋にあたるスタンリー男爵家の出身。
幼い頃から身体が大きく、八歳の時に出場した武闘大会でノワール相手に奮闘。敗れはしたものの、その戦いぶりが本家の当主の目に留まり、養子として本家に入ることになった。
魔王の依り代候補の一人ではあるが、侯爵家のさらに分家出身のため、他の依り代候補と比べて王家の血が薄い。そのため依り代としての優先順位は低い。
授けの儀で農家の職を得たことで家中で肩身の狭い思いをしているが、ノワールから農家の職の真価を聞き感謝している。
また、職が農家だったことで依り代候補から外れることができた。
エリオ・ユニオール(六十九歳)
王国最北端のユニオール侯爵家の当主。職は剣豪。
ユニオール侯爵家は古くからヴィエール王国に備えるために、一族で最も優れた職を得た者を当主に据える伝統を持つ。エリオ自身も分家の出身。
後継者に悩んでいたときにノワールと戦うライオの姿を見て、彼を甚く気に入る。
自ら訓練相手を務めるほどライオの才を評価し、ノワールに強い対抗心を持っていたが、ライオの職が農家だったことで失望。今ではライオにきつく当たっている。
???(三十六歳)
ユニオール侯爵家の諜報部隊に所属する男。部隊の中でもトップクラスの力量を持つ。
侯爵の命でノワールの実力を測るためにヴァレスの町を訪れるが、アーノルドの警告を受けて領地に戻る。
任務を失敗したことでエリオの逆鱗に触れて追手をかけられるも、何とか逃走に成功。ワイヤック公爵家に仕えることになった。
今は黒影見習いとしてダンジョンでの
転職する際に、ユニオール家の情報を漏らすつもりはないこと、ユニオール侯爵家に関わる任務は受けないことを明言したことで、アーノルドからの評価がさらに上がった。
エピナント王家
アレクシス・ヒュム・エピナント(三十六歳)
エピナント王国国王。六人の妻と五人の王子、三人の王女がいる。
王位は勝ち取るものという立場を表明しているため、王太子の有力候補である第一王子派と第二王子派を中心に政争が起こっている。
但し、本人はよほどのことがない限り後継者争いに口出しするつもりはない。
ワイヤック公爵家から複数の勇者が出たことを内心苦々しく思っている。
ヘンリック・ヒュム・エピナント(十五歳)
エピナント王国の第一王子。母は第二夫人。
ベイル子爵らの失態で第二王子オドリックに押されつつあったが、オドリックの失言によりやや盛り返しつつある。
オドリック・ヒュム・エピナント(十三歳)
エピナント王国の第二王子。母は第一夫人。クラリス・レストーヴァーの婚約者。
同世代で共通点の多いノワールに対して強い対抗心を持っている。近年はノワールが表舞台に出てこなかったためそれが表出することはなかったが、ヴァーリ領での一件以来ノワールの名声が高まっていることに大きな不満を抱いている。
お披露目パーティーでノワールへの当てつけのためにクラリスの肩を抱こうとするも失敗。悔し紛れにブランを勧誘するが、逆に王国法違反と指摘されてしまう。
結果的にオドリックのジョークだったということになったが、そのためにブランやワイヤック公爵に謝罪する羽目になり、プライドを大きく傷つけられた。
その他の貴族
ハリソン・フレイザー(十三歳)
フレイザー伯爵家の次男。ブランやノワールとともに授けの儀を受ける。
原作ではノワールの取り巻きとして、平民や下位の貴族に対して嫌がらせを繰り返していた。
こちらでも性格はそれほど変わっていない様子。
リッツ・トゥームラ(四十二歳)
中央貴族の一人で子爵。第一王子派。ヤンクールの授けの儀の進行役を務めた。
勇者の職を得たブランを第一王子派に引き込むために情報収集に励んだが、これといった成果はなかったらしい。
市井の人たち
疾風の風(全員二十代半ば)
ヴァーリ子爵領ヴァレスの町で活動する冒険者。ゲイル、ウィンド、ブリーズ、ブラストの四人組。
ギルドでの一件の後、ヴァーリ子爵家から仕官の誘いがあったが、性に合わないということで固辞したが、アルメリアたちへのアドバイスを求められ快く応じた。
ダドリー、マーサ(五十歳、五十一歳)
ワイヤック公爵領のオーネルの町で木漏れ日亭という宿屋を営んでいる。夜は食堂としても営業している。
ブランの朧げな知識をもとにいくつもの新しい料理を生み出し、オーネルでも人気の店となっている。
一時、客が増えすぎた時期もあったが、近隣の店にレシピを譲ることで客の分散に成功。またそれらの店と新作料理の研究と情報交換を進めている。
ブランとノワールに譲ったタンシチューは公爵家の人たちにも大好評だった。が、そのせいで領都に戻る公爵家一家がお忍びで訪れるようとしていることを彼らはまだ知らない。
ティナ、モリス、ノーマン(二十六歳、三十一歳、二十九歳)
木漏れ日亭を拠点に活動する冒険者。腕はいいが金よりも食い気を優先しており、狩りに行っても美味しい部位を優先的に持ち帰ってくる。
そのためギルドでは問題児扱いされているが、木漏れ日亭や近隣の店からは重宝がられている。
パレルニア王国
ネストール(享年七十八歳)
パレルニア王国の勇者。もともとは冒険者として活動していたが、ヴィエール王国の侵攻で妻を失う。
その後、冒険者時代の仲間とともにヴィエール王国との戦いに身を投じ、幾度となくヴィエール王国を退けた。
原作では今いる勇者の一人として名前が挙げられていたが、実は三年前に病で亡くなっている。
迷人族
テム(???歳)
ヤンクールのゴブリンダンジョンのダンジョンマスター。ブランやノワールのことを気に入り、制約に抵触しない範囲でアドバイスすることもある。
ジーニアのダンジョンの隠しエリアについてブランに教えた。
システィー(???歳)
ヴァレスのダンジョンのダンジョンマスター。リアクションのいいハートのことを気に入って、ちょくちょく揶揄っている。
やらかしがちのブランが吸魔の指輪の効果を発動することを恐れ、使用しないように警告する。実は結構ギリギリな行為だったらしい。
ジーニア(???歳)
エピナント王立学園の第一ダンジョンの主。
第一ダンジョンは初心者向けのダンジョンとして利用されているため、魔力の急襲効率はいいものの、利用者の大半が初心者なことで退屈してしまった。
退屈しのぎに高難易度の隠しエリアを作るが、入口の出現条件を厳しく設定してしまったために、未だに誰一人として隠しエリアに到達した者はいない。
しかし、隠しエリアの難易度が高すぎるせいで、入口が簡単に見つかるとダンジョンが利用されなくされる可能性もあるので、結果的には出現条件を厳しくして正解だった。
が、それはそれとして誰かに来てほしい。ということでテムがブランとノワールにヒントを与えることを許した。
二人が来るのを今か今かと待ち構えている。
過去の人物
エドウィン・ヒュム・エピナント
千年前の勇者。エピナント王国の第三王子。
大侵攻の数年前に勇者の職を授かるが、そのせいで国王である父親と王太子である兄に警戒されることになる。
大侵攻の開始当初は待機を命じられたが、戦況が悪化したことでようやく参戦が許される。
参戦後はジェレッド・ワイヤックとともに奮戦。戦況の立て直しに大きく貢献する。
最終的に魔王を追い詰めるが、戦後に自身が排除される可能性を考え、魔王の討伐ではなく封印を選択した。
その甲斐あって戦後は無事に王家を離脱し、エリドール子爵家を興したが、封印に関する情報はほとんど残していない模様。
ゴドウェル・ヒュム・エピナント
エドウィンの兄で当時の王太子。
能力や気質、母方の血統、そのすべてにおいて後継者に相応しく、他に対抗馬になり得る王子もいなかったことから、早々に次期国王として政務に加わっていた。
しかし、エドウィンが勇者の職を授かったことで、自身の立場を脅かされることを恐れエドウィンを警戒するようになる。
大侵攻の開始直後、エドウィンが手柄を挙げるのを恐れて彼の派遣に反対するが、その間にも戦況は悪化の一途を辿る。
最終的にジェレッド・ワイヤックからの脅迫に近い派遣要請を受けて、ようやく王家はエドウィンの派遣を決定した。
が、時すでに遅く、ヤンクール以南の町はほぼ壊滅状態に陥っており、王家は南部の貴族からの信頼を失うことになった。
【用語】
『変異種』
ダンジョン内に一定の確率で出現する強力な個体。本来出現するはずの魔物に差し替えられる形で出現するが、差し替えられた個体と見た目が酷似していることが多いため、思わぬ苦戦を強いられることもある。
出現率や強さなどは迷人族がダンジョンごとに設定しており、変異種が出現しないダンジョンもある。
また、逃走しても追いかけて来なかったり、とどめを刺そうとしなかったりと事故を減らすように設定されている場合もある。
『宝箱』
ボス討伐時、もしくはランダムでダンジョン内に出現する宝箱。中には何かしらのアイテムが入っているが、罠付きのものもあるため注意が必要。
中身の大きさに関わらずすべて同じサイズだが、外観によって中身のランクが変わる。深部で出現した宝箱ほど、貴重なアイテムが手に入りやすい。
『吸魔の指輪』
装備者の魔力を少しずつ吸う指輪。装備し続けると魔力を増やす効果があるが、その効果についてはほとんど知られていない。そのため、珍しいわりに価値はそれほどでもない。理由は不明だが、ダンジョンではドロップしない。
一気に魔力を込めることで何かが起きるらしいが詳細は不明。銀色のタイプはより特別なものらしい。
使用者の魔力の影響を受けやすいという性質がある。
『精霊術士』
精霊と契約することで攻撃から支援、防御、回復までオールマイティーに活躍できる職。
各分野に特化した職には及ばないが、精霊と術者が同時に別の魔法を行使できるといった強みもある。
また、召喚魔法の精霊召喚と違って契約した精霊との意思疎通が可能なため、より細かい指示出しが可能。
ちなみに精霊たちは似た性質の精霊同士であれば、ある程度離れた距離であっても情報のやりとりができる。
『職』
各人が生まれながらに持っている個性のようなもの。そのため、同じ職であっても人によって成長しやすい能力が少しずつ違う。
また、職は血筋の影響を強く受ける。例えば両親が剣士の場合、その子らには高確率で剣士系統の職が発現する。但し、親の職とまったく関係ない職が発現することも少なからずある。
さらに勇者や賢者、聖女など血統に影響されない職も少数ながら存在する。
かつては研鑽を重ねることで職の特性を発現させていたが、迷人族によって授けの儀のシステムが構築されてからはほぼすべての者がそちらを利用している。
ちなみに魔物には職が存在しない。その代わりに進化という形でより強い力を得ることができる。
『宗教』
王家や貴族が宗教家たちが力を持つのを嫌ったため、基本的には強い影響力を持つ宗教組織は存在しない。
但し、あくまでも大規模な組織が存在しないというだけで、祈りを捧げるための祠などはあちこちに存在するし、伝説などを基にした行事などもある。
また、山や湖、巨岩のような自然物を神格化したり、ドラゴンのような力を持った魔物を神獣として崇拝している地域も珍しくはない。
『授けの儀』
職を授かるための儀式。魔法陣の魔力が対象者の魔力に働きかけることで、対象者が生まれながらに持っている職の特性を発現させる。
このシステムは遥か昔に迷人族によって開発された。そのため、各地の授けの儀の結果はリアルタイムで彼らに伝わるようになっている。
ちなみに授けの儀を実行できるのが一年の最初の月に限定されているのは、期間を限定することでイベント感を演出したかったため。
一見、非常に便利なシステムのように思えるが、職周りのシステムはこの世界の根幹に関わる部分であるため、授けの儀を開発した迷人族はダンジョン外での活動に大幅な制限を受けることになった。
同時に授けの儀の魔法陣も一部が書き換えられ、職の力の一部が解放される代償として成長速度にマイナス補正が入るようになっている。
但し、授けの儀よりも前に職の力を一定程度解放した場合、このペナルティーは適用されない。
これらのペナルティーの存在及びその回避法に関しては迷人族にしか知らされておらず、またそれ以外の者に伝えることも固く禁じられている。
『勇者』
血統の影響を受けない極めて特殊な職。
およそ二十年に一人という確率で勇者の職を持った子どもが誕生するが、授けの儀を受けないケースもあるので、実際に確認されるのは三十年に一人程度。
特性は各種成長補正と魔物特攻。
取得する経験値と熟練度、ステータス上昇率に大幅な補正が入るため、鍛えれば鍛えるだけ強くなる。また、この効果の一部は周りの者にも適用される。
しかし、継続的な努力が必要となるため、本人の性格や環境によってはその真価を発揮することができない。
なお魔物特攻の対象には人や魔物も含まれる。
『変装魔法』
幻惑魔法の一種。対象の見た目を一時的に変える魔法だが、変えられるのは見た目だけ。
そのため、自分と大きく体型の異なる姿に変装しても歩幅や重心ですぐにバレてしまう。
他に姿を変えるものとして呪術がある。こちらは姿かたちそのものを変える魔法だが、姿を変える部位や範囲、期間などに応じて対価となる供物が必要になる。
『王都エピナティア』
エピナント王国の首都。人口は約四十万人。
王城や王立学園のある中央区、貴族の屋敷が集まる貴族区、市民たちが暮らす市民区の三層構造になっている。
それぞれの区は立派な城壁で区切られており、貴族区と中央区は人の出入りが特に厳しくチェックされている。
『農家』
生産職のひとつ。農作業を楽にしたり、生産力を向上させるなどの特性がある。
一方で農家には農地を魔物や動物から守るという役割もあるため、各種農具と地属性魔法の適性の上昇、自身が管理する農地とその周辺での能力上昇など、戦闘職のような特性も持つ。
但し、あくまでも生産職としての役割が主体なので、純粋な戦闘職には及ばない。
『ヴィエール王国』
エピナント王国の北に位置する国。領土的野心が強く、周辺国との間で度々小競り合いを繰り返していた。
三十数年前から幾度となくパレルニア王国を攻めるが、その度に勇者ネストールとその仲間の活躍で撃退される。
二十八年前にオズワルドが勇者の職を得る。彼の成長を待って再度パレルニア王国を攻めたが、オズワルドは一騎打ちでネストールに敗北。
その後も再三侵攻するがすべて失敗に終わっている。
最近、ネストールが死亡したという情報を得て、雪辱を果たすための準備を進めている。
『パレルニア王国』
ヴィエール王国の北にある国。それほど大きな国ではないが、精強な軍を持っている。
再三ヴィエール王国の侵攻に晒されるが、勇者ネストールらの活躍もあってすべて撃退している。
しかし三年前、老齢だったネストールが病で死去したため、彼の死を必死で隠している。
『ヒュム』
人族国家で王家に誕生した者に付けられる称号のようなもの。そのため貴族から迎えた王妃にヒュムが付くことはない。
また、王女が貴族に降嫁したり王子が婿入りした場合にもヒュムを名乗ることは許されない。
ただし、王族同士が婚姻する場合には、変わらずヒュムを名乗り続けることが許される。
『覚醒者』
授けの儀までに職の持つ力を一定程度まで解放した者を指す。授けの儀を利用するペナルティーを回避する唯一の方法でもある。
しかし、ペナルティーの存在は知らされておらず、また多くの者は十代前半のうちに授けの儀を受けるため、覚醒者が現れるのは極めて珍しい。
~お知らせ~
ここまで拙作をお読みいただきありがとうございます。
次章分がまだ完成しておりませんので、またしばらくお休みをいただきます。
皆様に楽しんでいただけるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。
で、その埋め合わせというわけではないのですが、息抜きというか気分転換がてらに短めの閑話みたいなのを書けたらなーと思っています。
時間の都合などであまり数は書けないかもですが、こういうのが読みたいっていうのがあればコメントで書いておいていただけると嬉しいです。
(追加のリクエストがある場合は近況ノートの方にお願いします。コメントの編集だとこちらに通知が来ないので)
ちなみに何度かリクエストいただいた亀ライダー関係の閑話は、ライダーものに疎い今の私にはなかなかハードルが高いのであしからず……。
こんぽ
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