「あの鳥さんたちはどこにいこうとしているのでしょうか? もしかして、わたしたちと同じところなのかな?」と小さな娘は言った。

「うーん。どうだろう。もしそうだとしたら、またあの鳥の親子に会えるかもしれないね」と若いお母さんは言った。

 すると小さな娘は空を飛んでいる二羽の鳥に向かって手を大きく振りながら「ばいばい。また会おうね。鳥さん」と少し大きな声で言った。

 そんな小さな娘をみて、ほほえんでから、同じように空を飛ぶ二羽の鳥を見て、……、ばいばい。と心の中で若いお母さんは言った。

 それから休憩の時間を終わりにして、二人はまた真っ白な道の上を仲良く手をつないで歩き始めた。

 小さな娘は歩き始めてから、手をつないでいないほうの自由な片手を大きく上げて、楽しそうに空を飛ぶ鳥さんの真似をしていた。(若いお母さんも荷物があって少し難しかったけど、小さな娘と一緒に手を動かして、鳥の真似をして遊んでいた)

 小さな娘は歩きながらときどき「お母さん」と若いお母さんを見ていった。

 「どうかしたの?」と若いお母さんがいうと、小さな娘は「なんでもないです。お母さんって呼んでみただけです」とふふっと笑って言った。

 そんなとても可愛らしい小さな娘をみて、若いお母さんの胸はなんだか少しだけ痛くなった。

「旅行ってすごく楽しいですね。ずっとお母さんと一緒にいられます」とつないでる手をぶんぶんとふって小さな娘は言った。

「わたしもずっと一緒にいられてうれしい」と若いお母さんは(ちょっとだけ泣きそうになりながら)小さな娘を見て、涙をがまんしながら、そう言った。

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